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  4. 政策金利2.25%になると何が起きる?住宅ローンと預金への影響を試算

政策金利2.25%になると何が起きる?住宅ローンと預金への影響を試算

2026 8/25
経済・マネー
2026年8月25日
政策金利2.25%になると何が起きるのか 住宅ローンと預金への影響

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「2027年末に2.25%」予想が現実味を帯びる中で

上がった金利は、全員に同じ速さで届かない。
変動ローンには満額、普通預金には4割だけ。

変動5,000万円→月+3.1万円預金500万円→利息は年2万円次回日銀会合は9月17・18日

日本銀行は2026年6月、政策金利を約31年ぶりの1.00%へ引き上げました。市場は9月17・18日の金融政策決定会合での追加利上げを約8割織り込み(日本経済新聞)、民間エコノミストからは「2027年末に2.25%」という到達点予想も出ています(第一ライフ資産運用経済研究所・藤代宏一氏、到達点2.25〜2.5%程度)。

「金利が上がる=預金の利息が増えていいこと」と思われがちですが、実際に起きているのは少し違うことです。上がった金利は、全員に同じ速さで届いていません。この記事では、6月の利上げ0.25%が「どこに・どれだけ」届いたかを確かめたうえで、政策金利2.25%の世界で住宅ローン・預金・企業・国の財政に何が起きるのかを試算します。

目次

0.25%の利上げは「どこに・どれだけ」届いたか

2026年6月の利上げ後、各金利は次のように動きました。

利上げ0.25%の伝わり方(2026年8月時点)
金利 動き 届いた割合
短期プライムレート(変動ローンの基準) 2.125% → 2.375%(三菱UFJ銀行など、8月3日改定) +0.25%=満額
メガバンク普通預金金利 0.30% → 0.40%(8月3日、約34年ぶりの水準) +0.10%=4割

変動型住宅ローンの基準になる短期プライムレートには利上げ分が満額で乗り、普通預金には4割しか乗りませんでした。「借りた人から先に、満額で届く。預けた人にはあとから、一部だけ」——これが利上げの伝わり方の現実です。

政策金利2.25%の世界——住宅ローンの試算

住宅金融支援機構の調査では、新規借入の約79%が変動型です。変動金利の平均は約1.082%(モゲチェック・2026年8月)。ここから政策金利が2.25%まで上がり、変動金利に+1.25%がそのまま乗った場合を試算します。

変動5,000万円・35年・元利均等の試算(当ブログ試算)
条件 毎月返済額 差額
金利1.082%(現在の変動平均) 143,062円 —
金利2.332%(+1.25%) 174,277円 +31,215円/月

毎月の返済は約3.1万円、年間で約37万円の負担増です。なお多くの変動ローンには、金利が上がっても毎月の返済額を5年間据え置く「5年ルール」があります。ただしこれは猶予であって免除ではありません。返済額の内訳のうち利息分が月約4.5万円から約9万円へ膨らみ、元本の減りが半分になります。毎月の支払いは同じでも、ローンの中身は確実に重くなっていきます。

預金・企業・国はどうなるか

預金:普通預金0.40%では、500万円を1年預けても利息は税引き前2万円です。仮に2.25%の世界で預金金利が1%近くまで上がっても4〜5万円台。上の試算のローン増加分(月3.1万円)と比べると、預金1年分の利息がローン1か月の増加分で消える計算です。

企業:借入1億円の中小企業では、+1.25%は利払い年+125万円に相当します。東京商工リサーチによると2026年上半期の企業倒産は5,346件と12年ぶりに5,000件を超えており、金利上昇は物価高・人手不足に続く3つ目の重石になりつつあります。

国:最大の借り手は国自身です。2026年度の利払い費は約13兆円。財務省の後年度影響試算では、金利が想定より1%高く推移すると2029年度の国債費は+3.8兆円になります。利上げは家計の問題であると同時に、財政の問題でもあります。

いま家計でできる3つの備え

利上げ局面の備え3つ

  1. 変動ローンは「+1%の返済額」を先に計算しておく。金融機関のシミュレーターで数分でできます。払えないと分かったら、繰り上げ返済や固定への借り換えを金利が上がりきる前に検討する余地があります。
  2. 預金は放置しない。同じ普通預金でも銀行によって金利差があり、定期や個人向け国債(変動10年)など、利上げの恩恵を受けやすい置き場もあります。
  3. 「5年ルールで今は変わらない」を安心材料にしない。据え置き中も利息は積み上がっています。返済額見直しのタイミング(多くは5年ごと)を把握しておきましょう。

よくある質問

Q. 政策金利2.25%は本当に来るのですか?

A. 確定ではありません。「2027年末に2.25%」は民間エコノミストの見通しで、市場が織り込む到達点も2%超とされていますが、物価・賃金・為替の動き次第で前後します。ただし日銀が利上げ局面にあること自体は明確で、9月17・18日の会合の利上げ織り込みは約8割です。方向としての上昇に備えておく価値は高いと言えます。

Q. 変動金利のローンはすぐに上がるのですか?

A. 多くの銀行では、短期プライムレートの改定を受けて基準金利が見直され(2026年は9月1日見直しの例)、実際の返済額への反映は半年ごとの金利見直し日や5年ルールの区切りによって遅れて届きます。「まだ明細が変わっていない=影響がない」ではない点に注意してください。

Q. いまから固定金利に借り換えるべきですか?

A. 一概には言えません。固定金利にはすでに将来の利上げ観測が織り込まれており、借り換えには手数料もかかります。判断の出発点は「変動が+1%、+2%になったときに家計が耐えられるか」の試算です。耐えられないなら固定化や繰り上げ返済で守りを固める、耐えられるなら変動の低さを享受し続ける、という整理が基本になります。

Q. 預金金利はこれからもっと上がりますか?

A. 政策金利が上がれば預金金利も追随する可能性は高いものの、これまでの実績では利上げ分の一部しか反映されていません(今回は0.25%に対して0.10%)。銀行にとって預金金利は「コスト」であるためです。利息を重視するなら、金利競争をしているネット銀行や個人向け国債なども含めて置き場を比較するのが現実的です。

Q. 金利が上がると景気はどうなりますか?

A. 教科書的には、借入コストの上昇を通じて消費や投資を抑え、物価を落ち着かせる方向に働きます。ただし今回の日本は「物価高がおさまらないままの利上げ」であり、住宅ローンと企業の利払い負担が先に重くなる痛みを伴います。利上げでも円安が止まらない構造も含め、単純な「金利高=良い/悪い」では割り切れない局面です。

まとめ

2026年6月の利上げ0.25%は、変動住宅ローンの基準金利には満額、普通預金には4割だけ届きました。政策金利2.25%の世界では、変動5,000万円のローンは月+3.1万円、預金500万円の利息は年2〜5万円。金利は「借りた人」から先に、満額で届きます。

できる備えはシンプルです。ローンは+1%時の返済額を先に計算し、預金は置き場を比較し、5年ルールを安心材料にしない。9月17・18日の日銀会合の結果次第で、このタイムラインはさらに具体的になります。

本記事についてのご注意
本記事は仕組みの解説であり、特定の金融商品・借入・運用をすすめるものではありません。試算はモデルケースで、実際の返済額・利息は契約条件により異なります。金利・条件は変わるため、最新の情報は必ず各金融機関・日本銀行の公式発表でご確認ください。

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