日曜の昼下がり、中山競馬場の掲示板に「52,948,520」という数字が並びました。100円の馬券が5294万8520円になった計算で、倍率にすると約52万9485倍です。SNSでは「誰が取れんねん」「見間違いかと思った」という声が相次ぎました。1着は単勝244.9倍の17番人気、2着は15番人気、1番人気は単勝1.5倍の断然人気馬だったのに5着。なぜここまで荒れたのか、順を追って見ていきます。
JRA-VANの公式アカウントも、レース直後に速報を出しています。
中山7R、3連単5294万8520円の馬券が出ました!
17番人気→15番人気→6番人気の大波乱決着で歴代2位の超高配当!⭐️— JRA-VAN公式 (@JRAVAN_info) September 6, 2026
中山7Rで何が起きたのか:17番人気が逃げ切り、1番人気は5着
舞台は9月6日(日)の4回中山2日目、第7レースの3歳未勝利戦です。芝2000メートル、18頭立て、馬場は雨の影響で「重」でした。1番人気は前走の内容が評価されたブラッキッシュ(ルメール騎手)で、単勝オッズは1.5倍。2番人気セキテイリノが6.0倍、3番人気エラガバリウムが12.4倍と、上位人気の一角に支持が集まる形でした。
ところがレースは、スタート直後から先頭に立った5番カテドラルクォーツ(岩田康誠騎手、美浦・菊沢隆徳厩舎)がそのまま押し切る展開になりました。1コーナーから4コーナーまで先頭は一度も変わらず、2番手集団にいた4番ジェイエルグリーン(原優介騎手)が追ってきたものの、1馬身半差で逃げ切り。勝ちタイムは2分04秒4でした。3着には後方から追い込んだ13番サンクレゾン(北村友一騎手)が入り、6番人気ながら上がり3ハロン35秒9はメンバー中最速でした。
| 着順 | 馬番 | 馬名 | 騎手 | 人気 | 単勝オッズ |
|---|---|---|---|---|---|
| 1着 | 5 | カテドラルクォーツ | 岩田康誠 | 17番人気 | 244.9倍 |
| 2着 | 4 | ジェイエルグリーン | 原優介 | 15番人気 | 155.8倍 |
| 3着 | 13 | サンクレゾン | 北村友一 | 6番人気 | 25.9倍 |
| 4着 | 1 | ウインスターリング | ミシェル | 9番人気 | 37.6倍 |
| 5着 | 8 | ブラッキッシュ | ルメール | 1番人気 | 1.5倍 |
| 13着 | 11 | エラガバリウム | 津村明秀 | 3番人気 | 12.4倍 |
| 15着 | 2 | セキテイリノ | 江田照男 | 2番人気 | 6.0倍 |
1番人気のブラッキッシュは道中中団の内で脚をため、直線で伸びてはきたものの、4着馬とアタマ差の5着まで。2番人気は15着、3番人気は13着と、上位3頭の人気馬がそろって馬券圏外に消えました。人気薄の2頭が前で粘り、人気馬が総崩れになる。高額配当が出るときの典型的な形が、そのまま起きたレースでした。
中山7Rは三連単5294万8520円(想定値)の大波乱決着。
1着:カテドラルクォーツ(17番人気)
2着:ジェイエルグリーン(15番人気)
3着:サンクレゾン(6番人気)— netkeiba (@netkeiba) September 6, 2026
全券種の払戻金一覧:単勝2万4490円、馬連39万円、3連複331万円
3連単だけでなく、この日の中山7Rは券種をまたいで記録づくめでした。JRA発表と競馬データサイトの払戻情報をもとに、全券種を並べたのが次の表です。
| 券種 | 的中の組み合わせ | 払戻金(100円) | 人気順・備考 |
|---|---|---|---|
| 単勝 | 5 | 2万4490円 | 17番人気 |
| 複勝 | 5/4/13 | 8740円/4820円/1010円 | 16番人気/15番人気/6番人気 |
| 枠連 | 2-3 | 2万5540円 | 34番人気 |
| 馬連 | 4-5 | 39万4680円 | 140番人気 |
| ワイド | 4-5/5-13/4-13 | 6万7120円/4万1320円/3万8690円 | 136番人気/118番人気/114番人気 |
| 馬単 | 5→4 | 187万6620円 | 294番人気。JRA歴代1位 |
| 3連複 | 4-5-13 | 331万5620円 | 718番人気。JRA歴代5位・中山では2位 |
| 3連単 | 5→4→13 | 5294万8520円 | 4,680番人気。JRA歴代2位・中山では1位。的中2票 |
注目したいのは「馬単187万6620円」です。3連単は歴代2位ですが、馬単はJRAの歴代最高記録でした。従来の記録は今年1月31日の小倉6Rで出た174万9330円で、それを約12万7000円上回りました。単勝244.9倍と155.8倍の馬が1着・2着にそろう形は、3連単以上に「起きにくいこと」だったと言えます。
JRA3連単の歴代ランキング:5000万円超えは2026年に2回
JRAで3連単が発売されたのは2004年で、それから20年以上の間、歴代最高配当は2012年8月4日に新潟の2歳新馬戦で出た2983万2950円でした。ところが2026年に入って、この壁が2度にわたって大きく超えられています。
三連単5294万8520円は【歴代2位】の払戻です。
歴代1位の記録は今年1月の小倉で発生した『5836万7060円』
— netkeiba (@netkeiba) September 6, 2026
| 順位 | 払戻金 | 開催日 | レース・決着 |
|---|---|---|---|
| 1位 | 5836万7060円 | 2026年1月31日 | 小倉6R 3歳未勝利(芝1200m)。18→17→10番人気、的中1票 |
| 2位 | 5294万8520円 | 2026年9月6日 | 中山7R 3歳未勝利(芝2000m)。17→15→6番人気、的中2票 |
| 3位 | 2983万2950円 | 2012年8月4日 | 新潟 2歳新馬 |
| 4位 | 2792万9360円 | 2015年9月21日 | 2歳未勝利 |
| 5位 | 2294万6150円 | 2017年12月3日 | 3歳以上500万下 |
1位と2位がどちらも2026年、しかもどちらも3歳未勝利戦です。未勝利戦は実力差がはっきりしない馬が多数出走するうえ、能力の裏付けが乏しいまま「前走の着順」だけで人気が偏りやすい条件です。人気馬がその通りに走らなかったとき、配当が極端に跳ねる土壌があると言えます。
1月の小倉6Rと何が違うのか:歴代1位・2位の比較
歴代1位の小倉6Rと今回の中山7Rは、どちらも3歳未勝利戦で、どちらも上位人気が沈んだレースです。ただし中身を並べると違いも見えてきます。
- 芝1200m、18頭立て
- 1着カシノリアーナ(18番人気、単勝388.2倍)
- 2着スッサンエア(17番人気)、3着コンフィアンサ(10番人気)
- 3連単5836万7060円、的中1票
- 馬単174万9330円、3連複355万4740円、馬連61万5560円
- 芝2000m、18頭立て、重馬場
- 1着カテドラルクォーツ(17番人気、単勝244.9倍)
- 2着ジェイエルグリーン(15番人気)、3着サンクレゾン(6番人気)
- 3連単5294万8520円、的中2票
- 馬単187万6620円、3連複331万5620円、馬連39万4680円
小倉は最低人気と17番人気のワンツーで、1着・2着の2頭だけでほぼ「あり得ない」組み合わせになっていました。一方の中山は、3着が6番人気と比較的手が届く馬だった分、3連単では小倉に及びませんでした。それでも馬単で歴代最高になったのは、1着・2着の2頭がともに単勝150倍を超える人気薄だったからです。
もし当てていたら手取りはいくら?:5294万円の馬券と税金
「100円が5294万円に」という夢の話には、続きがあります。競馬の払戻金は所得税法上の一時所得にあたり、当たり馬券の購入額と50万円の特別控除を引いた残りの半分が、給与などに上乗せして課税されます。詳しい仕組みは当ブログの競馬で150万円当たったら税金はいくら?で解説していますが、今回の金額にあてはめると次のようになります。
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 払戻金(100円1点で的中した場合) | 5294万8520円 |
| 当たり馬券の購入額 | −100円 |
| 特別控除 | −50万円 |
| 課税される一時所得(残りの2分の1) | 約2622万円 |
| 税額の目安(所得税+住民税) | 約1100万〜1200万円 |
| 手取りの目安 | 約4100万円前後 |
約2622万円が給与に上乗せされると、所得税は最高水準に近い税率区分に入ります。給与収入500万円前後の会社員を想定すると、所得税・復興特別所得税・住民税を合わせておよそ1100万〜1200万円が翌年の納税額になる計算です。実際の税額は本人の所得や控除で変わりますが、「5000万円当たっても、1000万円以上は税金で消える」という規模感は押さえておきたいところです。
高額配当が出やすいレースの共通点
歴代の高額配当を振り返ると、いくつかの共通点が見えてきます。今回のレースにも、そのほとんどが当てはまっていました。
- 多頭数の未勝利戦や新馬戦:歴代トップ5のうち4つが2歳・3歳の下級条件戦です。実績の乏しい馬が多く、実力の見極めが難しい条件です。
- 一強の人気馬がいる:単勝1.5倍のような断然人気馬に票が集中すると、ほかの組み合わせの売り上げが薄くなり、その馬が飛んだときの配当が極端に膨らみます。
- 馬場の悪化:重馬場や不良馬場では、前に行った馬がそのまま粘る展開が起きやすくなります。
- 2桁人気馬のワンツー:3連単の金額を決めるのは、まず1着・2着の2頭です。2頭とも単勝100倍を超えていれば、3着が何番人気でも配当は数百万円単位になります。
ただし、こうした条件がそろっても、実際に5000万円級の配当が出るのは20年に数回という頻度です。「荒れそうなレース」で人気薄を広く買えば取れるというものではなく、今回の的中2票という数字が、その難しさを物語っています。
よくある質問
Q. 3連単5294万8520円はJRA史上何位ですか?
A. JRA史上2位です。1位は2026年1月31日の小倉6R(3歳未勝利)で出た5836万7060円で、3連単が5000万円を超えたのはこの2回だけです。中山競馬場に限れば史上最高配当になります。
Q. 的中した人は何人いたのですか?
A. 3連単の的中票数は2票でした。同じ人が2点買っていた可能性もあるため、正確な人数は分かりませんが、100円1点で的中していれば1人あたり5294万8520円を受け取る計算です。
Q. 馬単の187万6620円はどれくらいすごいのですか?
A. JRA歴代最高の馬単配当です。従来の記録は同じ2026年1月31日の小倉6Rで出た174万9330円でした。1着が単勝244.9倍、2着が155.8倍と、2頭とも100倍を超える人気薄だったことで生まれた記録です。
Q. 高額配当を当てたら税金はかかりますか?
A. かかります。競馬の払戻金は一時所得として課税され、5294万円なら所得税と住民税を合わせて1100万〜1200万円程度が目安です。外れ馬券は経費にできないため、当たった馬券の記録を残して翌年に確定申告が必要です。
まとめ:2026年は「3連単の記録が塗り替わる年」になった
9月6日の中山7Rは、17番人気の逃げ切りと1番人気の5着によって、3連単5294万8520円というJRA史上2位の配当を生みました。馬単は歴代最高、3連複も歴代5位と、券種をまたいで記録が並んだレースです。1月の小倉6Rと合わせ、2026年は3連単の歴代1位と2位がともに更新された年として競馬史に残ることになります。夢のある数字ですが、当たった先には税金という現実も待っています。当ブログでは今後もこうした記録的な配当や、馬券にまつわるお金の話を分かりやすく取り上げていきます。


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