ニュース|社会・くらし
藤沢市でバスなど4台事故、14人搬送|何が起きた?高齢運転の統計
2026年10月19日(月)午前9時ごろ、神奈川県藤沢市の交差点で、観光バスやタクシー、乗用車など4台が絡む事故があり、14人が病院に搬送されました。乗用車に乗っていた1人が心肺停止の状態と報じられています。警察によると、乗用車は高齢者が運転していたとみられ、対向車線の車にぶつかりながら交差点に入り、バスに衝突したということです。報道で分かっていることを整理し、警察庁と国土交通省の統計から、高齢ドライバーの死亡事故と観光バスの事故の実態を読み解きます。
この記事の結論
- 10月19日(月)午前9時ごろ、藤沢市藤沢3丁目の白旗交差点(小田急江ノ島線 藤沢本町駅の東約200m)で、観光バス・タクシー・乗用車2台の計4台が絡む事故がありました。
- 14人が搬送され、乗用車に乗っていた1人が心肺停止と報じられています。内訳はバスに乗っていた11人、乗用車の2人、別の乗用車の1人です(朝日新聞)。
- 警察によると、乗用車は交差点の手前で対向車線のタクシーなど2台とぶつかった後、交差点に進入し、横切っていたバスの右後部に衝突しました。運転していたのは高齢者とみられます。なぜそうなったのかは捜査中です。
- 警察庁の統計では、2025年に75歳以上のドライバーが起こした死亡事故は397件。免許保有者10万人当たりでは4.8件と、75歳未満(2.5件)の約1.9倍です。
- 死亡事故の要因を比べると、75歳以上は「操作不適」が33.1%。ブレーキとアクセルの踏み違いが占める割合は8.5%で、75歳未満(1.0%)の約9倍でした(当サイト計算)。ただし、今回の事故の原因はまだ分かっていません。
- 観光バス(貸切バス)が原因側になった人身事故は2025年に199件で、2008年の半分以下。約8割は他の車との事故です。
事故の人数は報道(10月19日13時時点)。統計は警察庁「令和7年中の交通事故の発生状況」と国土交通省の分科会資料から当サイトが集計・計算したものです。
藤沢市のバス事故、何が起きた?10月19日13時時点のまとめ
朝日新聞、共同通信(産経新聞に配信)、日本テレビ、TBS、テレビ朝日、NHKなどの報道をもとに、10月19日13時時点で分かっていることをまとめます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 発生日時 | 2026年10月19日(月)午前9時ごろ |
| 場所 | 藤沢市藤沢3丁目の白旗交差点(朝日新聞・日本テレビ)。テレビ朝日・TBS・FNNは「藤沢市本町の交差点」と報道。小田急江ノ島線 藤沢本町駅から東へ約200mの十字路(共同通信・時事通信) |
| 通報 | 通行人から「車とタクシーとバスの交通事故」と119番(朝日新聞・時事通信)。日本テレビは、バスの乗客から110番通報があったと伝えています |
| 関係した車 | 観光バス、タクシー、乗用車2台の計4台(朝日新聞、消防への取材) |
| 搬送 | 14人。バスに乗っていた11人、乗用車に乗っていた2人、別の乗用車の1人(朝日新聞) |
| 容体 | 乗用車に乗っていた1人が心肺停止(共同通信・日本テレビは「同乗者」と報道)。NHKは「搬送時、意識がない状態で重体」と報道 |
| 運転者 | 乗用車は高齢者が運転していたとみられる(共同通信・日本テレビ、警察への取材)。詳しい年齢は、確認できた報道では伝えられていません |
| 捜査 | 警察などが当時の状況を調べています |
事故の流れ:対向車線の2台にぶつかった後、交差点でバスに衝突
朝日新聞が伝えた神奈川県警藤沢署の説明によると、事故は次の順に起きたとみられます。
- 乗用車1台が、交差点の手前で対向車線を走っていたタクシーなど2台と衝突
- その後、乗用車は止まらずに交差点に進入
- 交差点を左から右に横切っていた観光バスの右後部に衝突
TBSも、警察の話として「乗用車が対向車線を走っていた2台にぶつかった後に交差点に進入し、交差点を横切ったバスの後ろ側と衝突した」と伝えています。心肺停止となったのは、この乗用車に乗っていた1人です。

「13人・3台」と「14人・4台」、報道で数が違うのはなぜ?
最初の速報では、日本テレビやテレビ朝日、FNNが「バス・タクシー・乗用車の3台」「13人搬送(乗用車の2人とバスの11人)」と伝えていました。その後、朝日新聞やテレビ朝日の続報は「4台」「14人」とし、TBSやNHK、共同通信の続報も「14人」と伝えています。朝日新聞によると、増えた1台・1人は別の乗用車と、それに乗っていた1人です。対向車線でぶつかった2台がタクシーと別の乗用車だったとみられ、取材が進むにつれて全体像が分かってきた形です。
数字は各社の報道によるもので、警察・消防の正式な発表ではありません。続報で変わる可能性があります。
藤沢の事故の原因は?分かっていること・まだ分かっていないこと
報道で分かっていること
乗用車が交差点の手前で対向車線側の車2台と衝突し、そのまま交差点に入ってバスにぶつかったこと。運転していたのは高齢者とみられること。バスは交差点を横切っている途中で、右後部に衝突されたこと。
まだ分かっていないこと(10月19日13時時点)
乗用車がなぜ対向車線側に出たのか(体調の急変、運転操作の誤り、別の要因など)、速度、信号の状態、運転者の詳しい年齢などは、確認できた報道では明らかになっていません。警察が当時の状況を調べています。
高齢者が運転していたとみられることから、「ブレーキとアクセルの踏み間違いでは」といった声も出やすい状況です。しかし、事故の原因は警察の捜査で明らかになるもので、現時点で原因を決めつけることはできません。この記事では、個別の事故と切り離して、統計から分かる「高齢ドライバーの死亡事故の傾向」と「観光バスの事故の実態」を紹介します。
75歳以上のドライバーの死亡事故はどれくらい?警察庁の11年分を集計
警察庁「令和7年中の交通事故の発生状況」には、75歳以上の高齢運転者による死亡事故のグラフが載っています。グラフの数値を年ごとに読み取り、75歳未満との差(倍率)を当サイトで計算しました。
| 年 | 75歳以上の死亡事故 | 免許10万人当たり 75歳以上/未満 |
倍率 | 死亡事故に占める割合 |
|---|---|---|---|---|
| 2015 | 458件 | 9.6/4.0 | 2.4倍 | 12.8% |
| 2016 | 459件 | 8.9/3.8 | 2.3倍 | 13.5% |
| 2017 | 418件 | 7.7/3.7 | 2.1倍 | 12.9% |
| 2018 | 460件 | 8.2/3.4 | 2.4倍 | 14.8% |
| 2019 | 401件 | 6.9/3.1 | 2.2倍 | 14.4% |
| 2020 | 333件 | 5.6/2.7 | 2.1倍 | 13.8% |
| 2021 | 346件 | 5.7/2.6 | 2.2倍 | 15.1% |
| 2022 | 379件 | 5.7/2.5 | 2.3倍 | 16.7% |
| 2023 | 384件 | 5.3/2.6 | 2.0倍 | 16.4% |
| 2024 | 410件 | 5.2/2.6 | 2.0倍 | 17.6% |
| 2025 | 397件 | 4.8/2.5 | 1.9倍 | 17.6% |
警察庁資料のグラフ値(第1当事者が一般原付以上・運転者16歳以上)。免許保有者数は各年12月末。「倍率」は75歳以上÷75歳未満で、当サイトの計算です。
表から分かることは2つあります。まず、免許保有者当たりの死亡事故は、75歳以上でもこの10年で半分に減りました(2015年の9.6件→2025年の4.8件)。75歳未満との倍率も2.4倍から1.9倍に縮んでいます。
一方で、死亡事故全体に占める75歳以上の割合は12.8%から17.6%に上がりました。全免許保有者に占める75歳以上の割合が5.8%から10.2%に増えたためです。2025年は、免許を持つ人の10.2%にあたる75歳以上が、死亡事故の17.6%を起こしている計算で、比率にすると約1.7倍です。免許保有者当たりのリスクは下がっても、高齢のドライバーが増えているので、社会全体では高齢運転者の事故の比重が大きくなっています。
死亡事故の要因:75歳以上は「操作不適」が3人に1人
同じ資料には、2025年に自動車(乗用車・貨物車・特殊車)の運転者が起こした死亡事故について、運転者側の要因を75歳以上と75歳未満で比べたグラフがあります。
| 要因 | 75歳以上 | 75歳未満 |
|---|---|---|
| 操作不適 | 120件(33.1%) | 169件(10.7%) |
| うちブレーキとアクセルの踏み違い | 31件(8.5%) | 15件(1.0%) |
| 安全不確認 | 58件(16.0%) | 469件(29.7%) |
| 前方不注意(内在的:漫然運転など) | 93件(25.6%) | 414件(26.2%) |
| 前方不注意(外在的:脇見など) | 29件(8.0%) | 284件(18.0%) |
| 判断の誤り | 16件(4.4%) | 122件(7.7%) |
| 死亡事故の件数 | 363件 | 1,578件 |
警察庁資料より作成。割合の分母は調査不能(75歳以上47件、75歳未満120件)を含む死亡事故の件数。踏み違いの割合(8.5%・1.0%)は当サイトの計算です。上の表(一般原付以上が対象)とは対象が違うため、件数は一致しません。
75歳以上の死亡事故で最も多い要因は「操作不適」(33.1%)で、75歳未満の10.7%の約3.1倍です。中でもブレーキとアクセルの踏み違いは、75歳以上では死亡事故363件のうち31件(8.5%)、75歳未満では1,578件のうち15件(1.0%)で、割合にすると約9倍の差があります。
反対に、75歳未満では「安全不確認」や脇見などの「前方不注意」が多くなっています。年代によって、事故につながりやすいミスの種類が違うことが分かります。
統計は「傾向」で、個別の事故の原因ではありません
この数字は全国の死亡事故をまとめた傾向です。藤沢市の事故がどの要因に当たるのかは、警察の捜査を待つ必要があります。高齢であることだけを理由に、原因を推測するのは避けるべきです。
観光バス(貸切バス)の事故は増えている?国交省資料で18年分
今回ぶつけられた観光バスは、統計上は「貸切バス」に入ります。国土交通省の安全対策フォローアップ分科会(2026年6月26日)に出された資料「最近の交通事故発生状況」から、貸切バスが第一当事者(事故の責任が重いほう)になった人身事故の件数を読み取りました。
出典の数値は(公財)交通事故総合分析センター「事業用自動車の交通事故統計」。貸切バスが第一当事者の人身事故件数。
貸切バスの事故は、増減を繰り返しながらも長い目で見ると減っており、2008年の413件に対して2025年は199件(2008年の48.2%)でした。2020〜2022年は92〜118件と大きく落ち込んでいます。国交省はこの資料で、2019年を「コロナ禍の影響がなかった直近の年」と位置づけており、運行そのものが減った影響が大きいとみられます。2023年以降は200件前後で推移しています。なお、路線バス(乗合バス)は2025年に840件でした。
2025年の貸切バス事故の中身:8割が「他の車との事故」
| 項目(2025年・貸切バス) | 件数 |
|---|---|
| 他の車との事故 | 158件(79.4%) |
| うち追突(最多の類型) | 58件 |
| 人との事故 | 33件 |
| 単独事故 | 8件 |
| 乗客がけがをした事故 | 10件 |
| バスの乗客の死者(乗合・貸切) | 0人 |
国土交通省 資料2より作成。他の車との事故の割合は当サイトの計算。
「ぶつけられた側」のバス事故はこの数字に入らない
この統計は、バスが第一当事者になった事故だけを数えています。藤沢市の事故のように、報道どおり乗用車がバスに衝突したのであれば、バスは第二当事者となり、この件数には含まれないとみられます。バスの乗客がけがをする事故には、バス側に原因がない事故も多く含まれていることに注意が必要です。
高齢ドライバーの事故を防ぐ制度は?75歳からの検査と乗客の備え
75歳以上の免許更新:認知機能検査と運転技能検査
- 認知機能検査:免許の更新期間が満了する日に75歳以上の人は、更新の前に認知機能検査などを受けます。「認知症のおそれがある」と判定されると、医師の診断を受けることになります(警察庁)。
- 運転技能検査:75歳以上で、過去3年間に信号無視、通行区分違反、速度超過、交差点安全進行義務違反など一定の違反歴がある人は、実際にコースを運転する検査に合格しないと免許を更新できません(令和2年改正の道路交通法で導入、警察庁)。
- 安全運転サポート車:警察庁は対策として、高齢者講習・運転技能検査とあわせて、「安全運転サポート車(サポカー)」の普及を挙げています(令和7年中の交通事故の発生状況)。ペダル踏み間違いの対策装置はこちらの記事で詳しく解説しています。
家族が高齢のドライバーの運転に不安を感じたときは、まず運転の様子を一緒に確かめ、サポカーへの乗り換えや、運転する時間帯・道を限る方法を話し合うのが現実的です。検査や手続きの詳しい内容は、住んでいる都道府県の運転免許センターなどで確認できます。
バスや車に乗る側ができること:シートベルト
道路交通法では、シートベルトが備えられている座席では、運転者だけでなく後部座席を含むすべての同乗者がシートベルトを着用しなければなりません。観光バスでも、ベルトのある座席では同じです。ところが、警察庁とJAFの調査(2025年)では、後部座席の着用率は一般道路で45.8%、高速道路などで79.9%にとどまっています。
今回のようにバスが横から、あるいは後ろからぶつけられると、乗客は自分では事故を避けられません。けがを小さくするために乗客ができることは、座ったらすぐベルトを締めることです。
事故の報道(X)
日テレNEWS NNNは10月19日午前、藤沢市でバスやタクシーなどが絡む事故が起き、1人が心肺停止になっていると速報しました。産経ニュースは、高齢者が運転する乗用車が観光バスに衝突したとみられると伝えています。搬送人数は報道によって13人と14人があり、その理由は本文で説明しています。
【速報】バスやタクシーなど3台絡む事故 13人搬送、うち1人が心肺停止 神奈川・藤沢市https://t.co/2hXXxtSf6h
— 日テレNEWS NNN (@news24ntv) October 19, 2026
高齢者運転の乗用車が観光バスに衝突 13人搬送、1人は心肺停止 神奈川県藤沢市の交差点https://t.co/xlpqi6KYCK
19日午前9時ごろ、神奈川県藤沢市の交差点で、乗用車と観光バスなど複数台が絡む事故があった。バスの乗客ら13人が救急搬送され、うち乗用車の同乗者が心肺停止状態。
— 産経ニュース (@Sankei_news) October 19, 2026
藤沢市のバス事故のよくある質問
Q. 藤沢市のバス事故はいつ、どこで起きましたか?
A. 2026年10月19日(月)午前9時ごろ、神奈川県藤沢市藤沢3丁目の白旗交差点で起きました。小田急江ノ島線の藤沢本町駅から東へ約200mの十字路です。一部の報道は「藤沢市本町の交差点」と伝えています。
Q. 何人がけがをしましたか?
A. 朝日新聞などによると、14人が病院に搬送されました。バスに乗っていた11人、乗用車に乗っていた2人、別の乗用車の1人です。乗用車に乗っていた1人が心肺停止の状態と報じられています(10月19日13時時点)。
Q. 事故の原因は何ですか?
A. 警察によると、高齢者が運転していたとみられる乗用車が、交差点の手前で対向車線のタクシーなど2台とぶつかった後に交差点に入り、横切っていた観光バスの右後部に衝突しました。なぜ対向車線側に出たのかなどは、警察が調べています。
Q. 75歳以上のドライバーは死亡事故を起こしやすいのですか?
A. 警察庁の統計では、2025年の免許保有者10万人当たりの死亡事故は、75歳以上が4.8件、75歳未満が2.5件で、約1.9倍です。ただし、75歳以上の値はこの10年で半分に減っています。死亡事故の要因では、75歳以上は「操作不適」が33.1%と最も多くなっています。
Q. 観光バスの事故は多いのですか?
A. 国土交通省の資料によると、貸切バスが第一当事者になった人身事故は2025年に199件で、2008年(413件)の半分以下です。2025年はバスの乗客の死者は0人でした。今回のようにバスがぶつけられた側の事故は、この件数に含まれません。
Q. 観光バスでもシートベルトは必要ですか?
A. シートベルトが備えられている座席では、着用が義務です。後部座席を含め、すべての座席でシートベルトを締める必要があります。警察庁とJAFの2025年の調査では、一般道路での後部座席の着用率は45.8%にとどまっています。
あわせて読みたい
出典・参考資料
- 警察庁:令和7年中の交通事故の発生状況(PDF)、交通事故統計
- 国土交通省:第1回 安全対策フォローアップ分科会(2026年6月26日)、資料2「最近の交通事故発生状況」(PDF)
- 警察庁:全ての座席でシートベルトを着用しましょう、認知機能検査について、運転技能検査
- 朝日新聞「バスなど4台の事故 14人搬送1人心肺停止 神奈川・藤沢の交差点」(10月19日)
- 産経新聞(共同通信)「高齢者運転の乗用車が観光バスに衝突」(10月19日)、日本テレビ(10月19日)
- TBS NEWS DIG(10月19日)、テレビ朝日(10月19日)、FNNプライムオンライン(10月19日)、NHK(10月19日)
統計の年別の数値は各資料のグラフから読み取ったもので、倍率・割合の一部は当サイトの計算です。写真:Nyao148/Wikimedia Commons(CC BY-SA 3.0)。アイキャッチはトリミング・明るさ調整・文字入れあり。


コメント