ラジオのAM放送。カーラジオや深夜放送でおなじみですが、近年、多くのAMラジオ局がFM放送への転換や、AM放送の終了を進めていることをご存じでしょうか。長年親しまれてきたAM放送は、いま大きな転換期を迎えています。
この記事では、AM放送とは何か、その仕組みや歴史、FM放送との違い、そしてなぜAM放送が縮小に向かっているのかを、わかりやすく解説します。
AM放送とは?
AM放送とは、「Amplitude Modulation(振幅変調)」という方式を使ったラジオ放送のことです。音の信号を、電波の「振幅(波の大きさ)」を変化させて送る仕組みからこの名がついています。日本では1925年(大正14年)にラジオ放送が始まって以来、長くラジオの中心を担ってきました。
AM放送の大きな特徴は、電波が遠くまで届きやすいことです。使う電波(中波)の性質上、山や建物を回り込んで伝わり、特に夜間は電波が上空で反射して非常に遠くまで届きます。この広いエリアをカバーできる強みが、AM放送が長年使われてきた理由です。

AM放送とFM放送の違い
ラジオにはAMとFMがあります。両者の違いを整理してみましょう。
- AM(振幅変調):電波が遠くまで届き、広いエリアをカバーできる。一方、雑音(ノイズ)の影響を受けやすく、音質は良くない。ビルや電子機器の近くでは「ザーザー」というノイズが入りやすいのが弱点です。
- FM(周波数変調):電波の「周波数」を変化させて送る方式。ノイズに強く、音質が良い(音楽もクリアに聴ける)。ただし、電波が直進しやすく、AMほど遠くまでは届かない。
ざっくり言えば、AMは「広く届くが音は粗い」、FMは「音は良いが届く範囲は狭め」という関係です。ニュースやトーク中心のAM、音楽中心のFM、という使い分けがされてきました。

なぜAM放送は終了・縮小に向かうのか
長年親しまれてきたAM放送ですが、近年、多くの局がAM放送をやめてFM放送へ移行する動きを進めています。その背景には、いくつかの理由があります。
①設備の維持コストが高い
AM放送は、遠くまで電波を飛ばすために巨大な送信所(アンテナ)が必要で、その建設・維持・老朽化した設備の更新に、莫大な費用がかかります。広い土地も必要です。放送局にとって、このコストが大きな負担になっています。
②FMでも広く届くようになった(ワイドFM)
近年は「ワイドFM(FM補完放送)」といって、AM局の放送をFMの電波でも聴ける仕組みが広がりました。これにより、AMをやめてFMに一本化しても、リスナーは番組を聴き続けられるようになりました。ノイズに弱いAMの弱点も、FMなら解消できます。
③ラジオの聴かれ方の変化
スマートフォンの普及で、インターネット経由でラジオを聴く人が増えました。「radiko(ラジコ)」などのアプリを使えば、電波の状態に関係なく、全国の放送をクリアな音で聴けます。こうした聴取スタイルの変化も、AM放送の役割を見直す一因になっています。

AM放送はすぐになくなるの?
多くの局がFMへの移行を進めていますが、すべてのAM放送がすぐに一斉になくなるわけではありません。移行の時期や方針は放送局によって異なり、災害時の情報伝達手段としてAMの広いカバー範囲を重視する考え方もあります。今後の動向は、各放送局や総務省の発表を確認するのが確実です。
長年ラジオを支えてきたAM放送は、時代の変化の中で、その役割を次の世代のメディアへと引き継ごうとしているのです。

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まとめ|AM放送は時代の転換期にある
AM放送は、電波の振幅を変えて音を送る、遠くまで届く伝統的なラジオ放送です。広いエリアをカバーできる強みで長年親しまれてきましたが、ノイズに弱く、巨大な送信設備の維持コストが重いという課題を抱えています。
ワイドFMやインターネット放送(radiko)の普及により、多くの局がFMへの移行を進めており、AM放送は大きな転換期を迎えています。私たちの生活に寄り添ってきたAMラジオの変化は、メディアのあり方が移り変わる時代を映す出来事といえるでしょう。

よくある質問(FAQ)
Q. AM放送とは何ですか?
「振幅変調(Amplitude Modulation)」という方式で、電波の振幅(波の大きさ)を変化させて音を送るラジオ放送です。1925年の放送開始以来、長くラジオの中心を担ってきました。電波が遠くまで届き、広いエリアをカバーできるのが特徴です。
Q. AM放送とFM放送の違いは何ですか?
AMは電波が遠くまで届き広い範囲をカバーできますが、ノイズに弱く音質は粗めです。FMは電波の周波数を変える方式で、ノイズに強く音質が良い一方、AMほど遠くには届きません。AMはニュースやトーク、FMは音楽向きとされてきました。
Q. なぜAM放送は終了・縮小に向かっているのですか?
遠くへ電波を飛ばす巨大な送信所の建設・維持・更新に莫大なコストがかかること、AM局の番組をFMでも聴ける「ワイドFM」が普及したこと、radikoなどインターネットでの聴取が増えたことが主な理由です。多くの局がFMへの移行を進めています。
Q. AM放送はすぐになくなるのですか?
すべてが一斉にすぐなくなるわけではありません。移行の時期や方針は放送局ごとに異なり、災害時の情報伝達手段としてAMの広いカバー範囲を重視する考え方もあります。今後の動向は各放送局や総務省の発表を確認するのが確実です。


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