『Halo』の次回作はCoDのActivisionへ。Xboxの「3,200人削減」計画は4分の3まで進んだ
マイクロソフトのゲーム部門Xboxは2026年9月22日、268人の追加削減と、傘下スタジオの大規模な組み替えを発表しました。目玉は、25年にわたりXboxの顔だった『Halo(ヘイロー)』の次回作を『コール オブ デューティ』のActivisionが開発すること。あわせて『Hellblade』のNinja Theoryは閉鎖案の協議に入りました。X(旧Twitter)では「Activision」「Halo」「Ninja Theory」が世界トレンドの上位に並んでいます。何が決まり、なぜこうなったのか、日本のプレイヤーに何が関係するのかを公式発表から整理します。
2026年9月23日(日本時間)までのXbox公式発表・報道をもとに作成
追加の人員削減
完了した割合(公式)
スタジオは25年で4社目に
削減計画の総数
何が発表されたのか:268人削減とスタジオの組み替え
発表は、Xboxのチーフ・コンテンツ・オフィサー(CCO)であるマット・ブーティ氏が全社員に送ったメールを、公式ニュースサイト「Xbox Wire」に転載する形で行われました。公開は日本時間9月22日(火)23時です。海外メディアが同日昼ごろ(日本時間)から「数百人規模の削減が近い」と報じていたため、Xでは正式発表の前からトレンド入りしていました。
メールの中身は大きく3つです。
①Halo Studios(旧343 Industries)、その他のファーストパーティスタジオ、XGS(Xbox Game Studios)の管理・中央部門で268人の職を削減。7月以降のスタジオ売却を含めると、発表済みの再編は「おおむね4分の3」まで進んだ
②事業単位を減らすためスタジオを組み替える(Halo・Rare・World’s EdgeはActivisionへ、など)
③売却交渉中だったスタジオの結果:Undead Labsは独立に成功、Ninja Theoryは2つの交渉が破談し閉鎖案の協議へ
スタジオごとの変更をまとめると次のとおりです。
| スタジオ | 今回の変更 | 主な作品 |
|---|---|---|
| Halo Studios(旧343 Industries) | 次回作の開発はActivisionの新設チームへ。Halo Studiosには小規模チームが残り、発売済みタイトルとコミュニティを支える | Halo |
| Rare | Activisionの管轄へ | Sea of Thieves |
| World’s Edge | Activisionの管轄へ | Age of Empires |
| Obsidian | Bethesdaの管轄へ。現行プロジェクトは継続 | Grounded、Bethesda Game Studiosと共同の新Fallout |
| Microsoft Casual Games | Kingの管轄へ | ソリティアなどのカジュアルゲーム |
| Playground Games+Turn 10 | 1つのスタジオに統合 | Forza、Fable |
| Undead Labs | Xboxから独立。新しいパブリッシャーのもとで発売 | State of Decay 3(Game Pass初日対応) |
| Ninja Theory | 閉鎖案 2件の譲渡契約が破談。従業員との閉鎖協議に入りつつ、別の道も探る | Hellblade、Senua |
| Arkane(フランス) | 労使協議が続行中。年末まで続く見込み | Dishonored |
| Double Fine/Compulsion Games | 独立済み 8月にIPと過去作、開発資金を持って独立 | Psychonauts/South of Midnight |
Activisionの次回作チームについて、発表文は「コール オブ デューティの開発や計画とは別の、専用に編成した新チーム」が率いると明記しています。Activisionのロブ・コスティック社長は米Kotakuに対し、「史上最高のHaloをつくる」という目標を語り、すでにチームの編成を始めているとコメントしました。
なぜHaloがActivisionへ?7月の「Xboxリセット」宣言に理由が書いてある
今回の発表は単発ではなく、2026年7月6日に始まった「Xboxリセット」の第2弾です。2月にフィル・スペンサー氏の後任としてXboxのトップに就いたアシャ・シャルマCEOは、7月の社員向けメールで「Xbox史上最大の再編」を宣言し、2027会計年度(2026年7月〜2027年6月)を通じて約3,200人を削減、初日に約1,600人を削減すると明らかにしていました。
その7月のメールには、なぜここまでやるのかが数字で書かれています。
| 7月のCEOメールで示された問題 | 中身 |
|---|---|
| 利益率が低すぎる | 同業のプラットフォーム・パブリッシャーより利益率が3〜10分の1しかない |
| スタジオ投資が回収できていない | 典型的な年で、投資1ドルあたり64セントを失っていた |
| 組織が重すぎる | 部署によっては管理階層が最大14層。プラットフォーム部門は今の世代の開始時より40%大きい。管理階層は5層以下(できれば3層)に減らす |
| ハードの部品危機 | 6月のメールでは、本体のストレージ部品の調達価格が前年秋の2倍超に、その後さらに倍になり、2027年の年末商戦には2年前の5倍超になる見通しと説明 |
ここで今回の組み替えを読み直すと、狙いは「事業単位を減らし、すでに一緒に仕事をしている組織をまとめ、パブリッシングの力を集中する」(ブーティ氏)ことです。Activisionは『コール オブ デューティ』を毎年出し続ける、Xbox傘下で最大級の開発・運営体制を持つ会社です。Haloのような看板シューターを、その体制の下に置くのは理にかなっている、という判断だと読めます。
発表文では、Halo Studiosには小さなチームが残り、発売中のHaloとコミュニティのサポートを続けるとしています。2026年7月28日(日本は29日)に発売されたリメイク『Halo: Campaign Evolved』のアップデートや対応はこのチームが担う形です。ただし「次のHalo」の開発はしない、というのが今回の決定です。
Haloの開発元は25年で4社目:バンジーから343、そしてActivisionへ
Haloは2001年に初代Xboxと同時に登場し、シリーズ累計の販売は2021年時点で8,100万本超(マイクロソフト発表)。Xboxを象徴するシリーズですが、本編の開発元はこれまでも何度か替わっています。
| 時期 | 本編の開発元 | 主な作品 |
|---|---|---|
| 2001〜2010年 | Bungie(バンジー) | Halo: Combat Evolved、Halo 2、Halo 3、Halo 3: ODST、Halo: Reach |
| 2011〜2024年 | 343 Industries | Halo 4(2012)、Halo 5(2015)、Halo Infinite(2021) |
| 2024年10月〜 | Halo Studios(343から改称) | Halo: Campaign Evolved(2026年7月、PS5版も同時発売) |
| 次回作 | Activision(新設の専任チーム) | 未発表 |
ちなみに生みの親のBungieは2007年にマイクロソフトから独立し、2022年にソニー・インタラクティブエンタテインメントに買収されています。Haloを生んだ会社はPlayStation陣営に、Haloの次回作はCoDの会社に。この25年でXboxの勢力図が大きく変わったことがわかります。
削減は何回目?2024年からの流れを時系列で整理
「またXboxがレイオフ」という反応が多いのは、マイクロソフトが2023年10月にActivision Blizzardを約690億ドルで買収して以降、ゲーム部門の削減が繰り返されてきたからです。
- 2023/10Activision Blizzardの買収が完了約690億ドル(当時のレートで約10兆円)。CoD、ディアブロ、キャンディークラッシュ(King)などがXbox傘下に。
- 2024/11,900人を削減ゲーム部門約2万2,000人の約8%。主にActivision Blizzardが対象。
- 2024/5Tango Gameworksなど4スタジオの閉鎖を発表『Hi-Fi RUSH』の日本のスタジオTango Gameworksも対象に。8月に韓国KRAFTONが買収し存続しました。
- 2024/9650人を削減主に管理・サポート部門。フィル・スペンサー氏は「ゲームの中止やスタジオ閉鎖はない」と説明。
- 2025/7全社9,000人超の削減の中でゲームも縮小『Perfect Dark』と『Everwild』が開発中止、The Initiativeが閉鎖。
- 2026/2アシャ・シャルマ氏がCEOに就任フィル・スペンサー氏の後任として、マイクロソフトのAI部門(CoreAI)から就任。
- 2026/7/6「Xboxリセット」宣言:約3,200人削減計画、初日に約1,600人Double Fine、Compulsion Games、Ninja Theory、Undead Labsの4スタジオを手放す方針も発表。
- 2026/9/22第2弾:268人削減、HaloはActivisionへNinja Theoryは譲渡が破談し閉鎖案の協議へ。再編は「約4分の3」完了。
- 2026/10/6全社タウンホール(予定)ブーティ氏は「進捗を振り返り、史上最強クラスのラインナップを展望する」場と説明しています。
公表された人数だけを足すと、1,900+650+1,600+268=4,418人です。2024年1月時点のゲーム部門は約2万2,000人だったので、単純計算で約2割にあたります。2024年5月のスタジオ閉鎖と2025年7月の削減はゲーム部門の人数が公表されていないため、実際はこれより多いと見られます。
「4分の3完了」を計算すると:残りは約800人の見込み
ブーティ氏は、7月以降の措置で再編は「スタジオ売却を含めて、おおむね4分の3」まで進んだと書いています。計画の3,200人に当てはめて、公表された数字で試算してみます。
| 項目 | 人数 | 計算 |
|---|---|---|
| 7月6日の削減 | 約1,600人 | 公式発表 |
| 9月22日の削減 | 268人 | 公式発表 |
| 職の削減の合計 | 約1,868人 | 計画3,200人の約58% |
| 「4分の3」にあたる人数 | 約2,400人 | 3,200×0.75 |
| 差(売却スタジオ分と見られる) | 約530人 | 2,400−1,868 |
| 2027年6月末までの残り | 約800人 | 3,200−2,400 |
「約4分の3」は概数で、売却したスタジオの人数は公表されていません。上の「約530人」「約800人」は公式の数字から当サイトが逆算した目安です。まだ行き先が決まっていないNinja TheoryとArkaneの扱いが、残りの規模を左右します。
日本のプレイヤーに関係すること
日本のXbox・Game Passユーザー、PS5やSteamでXboxのゲームを遊ぶ人にとってのポイントを整理します。
- Halo: Campaign Evolvedのサポートは続く:Halo Studiosの小規模チームが担当します。
- 次のHaloの対応機種は未発表:Activisionの『コール オブ デューティ』はPlayStationでも発売されていて、Halo: Campaign EvolvedもPS5で同時発売されました。次回作もマルチプラットフォームになる可能性はありますが、現時点で公式の発表はありません。
- 『Senua』の行方は不透明:Ninja Theoryは6月のXbox Games Showcaseで、Hellblade IIの続きとなるアクションアドベンチャー『Senua』を発表したばかりでした。閉鎖案の協議に入った今、開発がどうなるかは示されていません。
- State of Decay 3は新パブリッシャーから:独立したUndead Labsが新しいパブリッシャーのもとで発売し、Game Passでも初日から遊べると発表されています。
- ForzaとFableは統合スタジオで継続:Playground GamesとTurn 10の統合は、両シリーズに集中するためと説明されています。
日本のファンにとって記憶に新しいのは、2024年のTango Gameworksの例です。『Hi-Fi RUSH』が高く評価された直後に閉鎖が発表されましたが、3か月後にKRAFTONが買収して存続しました。Ninja Theoryについてもブーティ氏は「ほかの道を探り続ける」と書いており、閉鎖が確定したわけではありません。
今後の焦点
- 10/6Xbox全社タウンホール再編の進捗と今後のラインナップについての説明が予定されています。
- 協議中Ninja Theoryの閉鎖協議と、別の買い手探しイギリスのスタジオのため、閉鎖には従業員との協議期間が必要です。
- 年末までArkaneの労使協議フランスの労使協議会(Works Council)との協議は年末まで続く見込みです。
- 〜2027/6残り約800人(試算)の削減3,200人計画の残りが、どの部門で行われるかが次の注目点です。
よくある質問
Q. Haloの次回作はコール オブ デューティのチームが作るのですか?
A. いいえ。Xboxの発表では、Activisionの中に新しく編成した専任チームが率い、コール オブ デューティの開発や計画とは別だと明記されています。
Q. Halo Studios(旧343 Industries)はなくなるのですか?
A. なくなりません。小規模なチームが残り、発売中のHaloとコミュニティのサポートを続けます。ただし次の本編の開発はActivisionに移ります。
Q. 今回の削減人数は何人ですか?
A. 2026年9月22日の発表では268人です。Halo Studios、その他のファーストパーティスタジオ、Xbox Game Studiosの管理・中央部門が対象です。7月6日の約1,600人と合わせ、2027年6月末までに約3,200人を削減する計画の一部です。
Q. Ninja Theoryは閉鎖が決まったのですか?
A. 決定ではありません。2件の譲渡契約が破談したため、従業員と閉鎖案についての協議を始めると同時に、ほかの道も探り続けるとされています。
Q. 次のHaloはPS5でも遊べますか?
A. 対応機種は発表されていません。Halo: Campaign EvolvedはPS5でも発売されており、Activisionの主力作もPlayStationで出ているため可能性はありますが、確定情報ではありません。
・Xbox Wire「Continuing Our Reset」(2026年9月22日、マット・ブーティ氏の社員向けメール)原文
・Xbox Wire「Resetting XBOX」(2026年7月6日、アシャ・シャルマCEOの社員向けメール)原文
・Xbox Wire「The Next 100 Days」(2026年6月10日、部品価格の説明)原文
・Xbox Wire「Halo: Campaign Evolved」発売日の告知(2026年6月7日)原文
・The Verge「Microsoft lays off 1,900 Activision Blizzard and Xbox employees」(2024年1月25日)記事
・CNBC「Microsoft to cut 650 jobs at its Xbox gaming unit」(2024年9月12日)記事
・Haloシリーズの累計販売8,100万本超は、マイクロソフトが2021年11月に公表した数字(GameSpotなどが報道)
・Activisionロブ・コスティック社長のコメントはKotakuの報道(2026年9月22日)による
※削減人数の合計・割合と「残り約800人」は、公式に公表された数字から当サイトが計算した試算です。


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