仲が悪く、いつも争っている関係のことを「犬猿の仲(けんえんのなか)」といいます。日常会話でもよく使われることわざですが、「なぜ犬と猿なのか」「本当に犬と猿は仲が悪いのか」と考えると、意外と知らないことに気づきます。
この記事では、「犬猿の仲」の意味と由来、実際の犬と猿の関係、そしてこの言葉が示す人間関係の心理まで、わかりやすく解説します。
「犬猿の仲」の意味
「犬猿の仲」とは、非常に仲が悪く、顔を合わせれば争うような関係を表すことわざです。人間関係において、どうしても反りが合わない相手、いつも対立してしまう間柄を指して使われます。
「あの二人は犬猿の仲だ」というように、職場や家族、友人関係など、さまざまな場面で用いられる、身近な表現です。

なぜ「犬」と「猿」なのか|由来
仲の悪さを表すのに、なぜ数ある動物の中から「犬」と「猿」が選ばれたのでしょうか。これには、古くからの言い伝えや観察が関係しているとされます。
昔から、犬と猿は出会うと激しくいがみ合うと考えられてきました。実際に、犬と猿を近づけると警戒し合い、争うような様子を見せることがあったため、「仲の悪いものの代表」として、この二つの動物が結びついたと考えられています。
また、日本の昔話「桃太郎」では、犬・猿・キジが仲良く協力しますが、これはむしろ「本来は仲が悪いとされる動物たちが力を合わせる」という点に面白さがあったともいわれます。それだけ「犬と猿は仲が悪い」というイメージが、古くから人々に共有されていたのです。

実際に犬と猿は仲が悪いのか?
では、本当に犬と猿は仲が悪いのでしょうか。実は、これは必ずしも「本能的に敵対している」わけではないと考えられています。
- コミュニケーションの違い:犬と猿では、感情を表すしぐさや表情(ボディランゲージ)が異なります。たとえば、犬にとって歯を見せるのは威嚇でも、猿では別の意味を持つことがあり、互いのサインを誤解して警戒し合うことがあります。
- 縄張り・食べ物をめぐる競合:野生では、食べ物や縄張りをめぐって対立することも、いがみ合う原因になります。
- 育て方によっては仲良くもなる:一方で、幼い頃から一緒に育てられた犬と猿が、仲良く暮らす例も知られています。つまり「犬と猿だから絶対に仲が悪い」というわけではなく、状況次第なのです。
「犬猿の仲」はあくまでことわざ上のイメージであり、すべての犬と猿が敵対するわけではない、という点は知っておくと面白いでしょう。

「犬猿の仲」から見る人間関係の心理
興味深いのは、犬と猿の関係が「互いのサインの誤解」から来ているとされる点です。これは、人間関係のトラブルにも通じるものがあります。
人間同士でも、価値観や表現の仕方が違う相手とは、相手の言動を誤解し、すれ違いから対立が生まれることがあります。「なんとなく合わない」と感じる相手も、実は本質的に敵対しているのではなく、コミュニケーションのスタイルが違うだけかもしれません。
そう考えると、「犬猿の仲」の相手とも、互いの違いを理解し、歩み寄る努力をすれば、関係が改善する可能性があるといえます。ことわざの背景を知ることは、人付き合いのヒントにもなるのです。

「犬猿の仲」の使い方・例文
- 「あの二人は犬猿の仲で、会議のたびに意見がぶつかる。」
- 「昔は犬猿の仲だったが、共通の趣味をきっかけに親友になった。」
- 「ライバル会社同士は、長年の犬猿の仲として知られている。」
このように、人と人、あるいは組織同士の対立関係を表すのに幅広く使えます。似た意味の言葉に「水と油」などがあります。

まとめ|「仲が悪い」の代名詞、でも実は…
「犬猿の仲」は、非常に仲が悪く争う関係を表すことわざで、犬と猿が出会うといがみ合うという古くからのイメージに由来します。しかし実際には、犬と猿は本能的に敵対しているわけではなく、コミュニケーションの違いによる誤解や、縄張り・食べ物の競合が原因とされ、育て方次第では仲良くもなります。
互いの違いを理解すれば関係は変わりうる——「犬猿の仲」という言葉は、動物の話にとどまらず、私たちの人間関係を見つめ直すヒントも与えてくれます。
よくある質問(FAQ)
Q. 「犬猿の仲」とはどういう意味ですか?
非常に仲が悪く、顔を合わせれば争うような関係を表すことわざです。人間関係で、どうしても反りが合わない相手や、いつも対立してしまう間柄を指して使われます。似た意味の言葉に「水と油」があります。
Q. なぜ「犬」と「猿」なのですか?
昔から、犬と猿は出会うと激しくいがみ合うと考えられてきたためです。実際に近づけると警戒し合い争う様子を見せることがあったことから、「仲の悪いものの代表」として結びついたとされます。桃太郎で犬・猿・キジが協力するのも、本来仲が悪いとされる点に面白さがあったといわれます。
Q. 実際に犬と猿は仲が悪いのですか?
必ずしも本能的に敵対しているわけではありません。犬と猿では感情を表すしぐさが異なり、互いのサインを誤解して警戒し合うことや、縄張り・食べ物の競合が原因とされます。幼い頃から一緒に育てられれば仲良く暮らす例もあり、状況次第です。
Q. 「犬猿の仲」はどう使いますか?
「あの二人は犬猿の仲で、会議のたびに意見がぶつかる」のように、人と人、あるいは組織同士の対立関係を表すのに使います。「昔は犬猿の仲だったが親友になった」のように、関係の変化を語る文脈でも使えます。
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