JRA、夏は1日「12→7レース」に削減2027年から、何が変わる?

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JRA「夏は1日12→7レースに削減」2027年から──暑熱対策のすべてを徹底解説
JRA 暑熱対策ニュース解説

JRA、夏は1日「12→7レース」に削減
2027年から、何が変わる?

馬と騎手を猛暑から守る、これまでで最も踏み込んだ決断を競馬ファン目線で徹底解説

2026年5月末時点の報道をもとに構成 / 読了目安 約8分

📌 まずは要点を3行で

  1. 2027年の夏開催から1日「12→7レース」に削減。第1レースの発走は午後3時以降になる見込み。
  2. 削減される計約120レースは平日などに振り替え、年間の総レース数は現状どおり維持する方針。
  3. 涼しい北海道(札幌・函館)は対象外で、これまで通り1日12レースを実施する。

JRA(日本中央競馬会)が、夏の競馬開催で1日のレース数を従来の12レースから7レースへと大幅に削減する方針を固めたと、2026年5月末に各紙が報じました。実施は2027年の夏開催から。馬と騎手の負担を軽くする「暑熱対策」の一環で、近年エスカレートする猛暑に正面から向き合う、これまでで最も踏み込んだ判断と言えます。

「12レースが7レース? じゃあ午前中はどうなるの?」「削られたレースはどこへ消えるの?」「馬券の買い方や1日の楽しみ方は変わってしまうの?」——夏競馬を心待ちにしてきたファンほど、気になる点は多いはずです。この記事では、報道で明らかになった事実を整理しつつ、これまでの暑熱対策の流れ、ファンへの具体的な影響、そして賛否の論点までをじっくり解説していきます。

何が決まったのか――報道の概要

報じられた内容を整理すると、ポイントは次のとおりです。

実施開始2027年の夏開催から
レース数1日12レース → 7レースに削減
対象期間夏のうち最も暑い時期、約6週間を想定
発走時刻第1レースを午後3時以降に設定
削減分の扱い削られる約120レースは平日などへ振り替え。年間総数は維持
対象外北海道開催(札幌・函館)は1日12レースのまま
目的馬と騎手の暑熱(熱中症)対策、負担軽減

これまでJRAは、夏の最も暑い時間帯を避けるために「競走時間帯の拡大」という手法を採ってきました。これは朝に数レースを行ったあと、昼の灼熱の時間帯に3時間以上の長い休止をはさみ、夕方に残りのレースを実施するというもの。レース数自体は12のまま保ちつつ、暑さのピークを“避けて通る”アプローチでした。

今回の決定は、その発想からさらに一歩進めて、「暑い時間帯はそもそもレースをやらない」という方向にシフトしたものです。1日のレース数を7に絞り、すべてを比較的涼しくなる夕方〜夜に集約する。馬の出走機会を物理的に減らすことで、暑さによるリスクを根本から下げようという狙いが見えてきます。

背景にあるのは“年々厳しくなる夏”

近年の日本の夏は、かつての「暑い」を通り越して、人にとっても動物にとっても危険なレベルに達しています。競走馬はサラブレッドという品種の特性上、全力疾走で大量の熱を体内に発生させます。体が大きく筋肉量も多いため、いったん上がった体温を下げるのは人間よりずっと大変です。レース後にぐったりと汗だくになった馬を、スタッフが何人がかりも水をかけて冷やす光景を、夏競馬で目にしたことのある方も多いでしょう。

騎手にとっても夏のレースは過酷です。直射日光の下、勝負服とヘルメット、保護具を身につけ、減量を続けながら1日に何鞍も騎乗する。熱中症や脱水のリスクは決して小さくありません。さらに、厩務員や調教助手といった現場で馬を支える人々、そして馬場で働く裏方のスタッフにとっても、真夏の開催は体力勝負です。

「人馬の安全を守る」——この一点において、暑熱対策はもはや“あれば望ましい”ものではなく、競馬という興行を持続させるための必須条件になりつつあります。今回のレース数削減は、その流れの中で出てきた決断と理解すると腑に落ちます。

「動物福祉」への社会的な視線

もう一つ見逃せないのが、競馬を取り巻く社会の目線の変化です。近年は世界的に「アニマルウェルフェア(動物福祉)」への関心が高まっており、競馬もその例外ではありません。海外では、馬の健康や安全への配慮が不十分だと見なされた場合、ファンやメディアから厳しい批判を受け、レースの存続そのものが問われるケースも出てきています。

日本の競馬も、社会的に支持される興行であり続けるためには、「馬を大切にしている」という姿勢を具体的な行動で示すことが欠かせません。猛暑のなかで無理にレースを敢行し、もし馬に重大な事態が起きれば、競馬全体のイメージに傷がつきかねない。今回の削減方針は、こうしたリスクを先回りして避ける、いわば“守りの一手”でもあるのです。長く競馬という文化を次の世代へ引き継いでいくための投資、と捉えることもできるでしょう。

これまでの暑熱対策の歩み

今回の方針は突然出てきたものではありません。JRAはここ数年、段階的に暑熱対策を強化してきました。その流れをたどると、今回の決定がいかに自然な延長線上にあるかが見えてきます。

  • 2024年新潟競馬場で「競走時間帯の拡大」を試験導入(2週間)。第5レース後に3時間以上の長い昼休みをはさみ、暑い時間帯を回避
  • 2025年新潟・中京の2場に拡大し、実施期間を4週間へ
  • 2026年新潟・中京ともに6週間へ延長
  • 2027年いよいよ「1日7レース」へ。レース数そのものを削減する新方式に移行

2024年に新潟で始まった「競走時間帯の拡大」は、第1レースの発走を9時半ごろに早め、午前11時半ごろから午後3時すぎまで約3時間半にわたってレースを中断し、メインレースなどを夕方〜夜に行うというものでした。パドックでの周回時間を短くするなど、こまやかな配慮も加えられました。

この取り組みは年を追うごとに拡大され、2026年には新潟・中京の両場で6週間にまで広がっています。つまりJRAは、データと現場の声を積み上げながら、慎重に対策をステップアップさせてきたわけです。その到達点が「1日7レース制」だと考えると、行き当たりばったりの判断ではないことがわかります。

削られた約120レースはどこへ行く?

ファンとして最も気になるポイントのひとつが、「レースが減ったら、その分の出走機会はどうなるの?」という点でしょう。1日に5レースも減れば、馬が走る場が大きく失われるのではないか——そんな不安が頭をよぎります。

この点についてJRAは、削減される計約120レースを、夏以外の時期の平日などに振り替え、年間の総レース数は現状どおり維持する方針を示しています。つまり「夏に集中していたレースを、ほかの季節に分散させる」というイメージです。馬主や生産者にとっての出走機会、賞金の総額といったパイそのものは、基本的に守られる形になります。

ただし「平日への振り替え」が現実にどう運用されるのかは、まだ見えていない部分も多くあります。平日開催が増えれば、仕事や学校のあるファンにとっては現地で観戦しづらい日が増える可能性もあります。一方で、ネット投票が主流になった現在の購買スタイルを踏まえれば、平日開催が即マイナスとは限りません。ここは今後の発表を注視したいところです。

北海道(札幌・函館)はなぜ対象外なのか

今回の削減方針で見落とせないのが、北海道で行われる札幌・函館の両開催は対象外とされている点です。これらの開催はこれまで通り1日12レースを維持します。

理由はシンプルで、北海道の夏は本州に比べて格段に涼しいからです。真夏でも朝晩は過ごしやすく、馬にとっての負担も相対的に小さい。だからこそ、近年は「夏は涼しい北海道で」という流れが強まり、有力馬が札幌・函館に集まる傾向も見られます。今回の対応は、「暑い場所では減らし、涼しい場所ではこれまで通り」という、地域の気候に応じたメリハリのある設計になっていると言えるでしょう。

夏の北海道シリーズはもともと、開放感のあるロケーションや独特の馬場、洋芝といった特色でファンに愛されてきました。本州開催が7レースに絞られるなかで、12レースをフルに楽しめる北海道開催の存在感は、むしろ高まるかもしれません。

競馬ファンへの影響――何がどう変わる?

では、私たちファンの「夏競馬の過ごし方」は具体的にどう変わるのでしょうか。想定される変化を整理してみます。

1日のスタートが午後3時以降に

第1レースの発走が午後3時以降になるということは、夏の本州開催は事実上“夕方からの薄暮(はくぼ)開催”のような形になるということです。朝からじっくり予想して1日12鞍を追いかける、という従来のスタイルは、夏の対象期間に関しては大きく様変わりします。午前中は別の用事に充て、夕方から競馬モードに切り替える——そんな新しいリズムが生まれそうです。

7レースに凝縮されることで、1鞍の濃度が上がる

レース数が減ることを「寂しい」と感じる人もいれば、「7鞍に集中できてむしろ良い」と歓迎する人もいるでしょう。鞍数が絞られれば、1レースあたりにかける予想の時間や資金配分を厚くできます。だらだらと買い続けて気づけば収支がマイナス、という“夏競馬あるある”が減るかもしれません。短時間で締まりのある開催は、初心者がとっつきやすいという側面もあります。

馬券・売上への影響は未知数

一方で、レース数が減れば単純に「買える対象」が減るため、売上への影響を心配する声もあります。JRAの収益は競馬の運営や地域への還元にも直結するため、ここは経営面での重要な論点です。ただ、削減分を平日に振り替えて年間総数を維持することで、年間ベースでの売上機会は確保しようという意図がうかがえます。夕方〜夜に集約することで、仕事帰りの時間帯にレースが当たり、むしろ参加しやすくなるという見方もできます。

現地観戦の楽しみ方も変化

炎天下のスタンドで朝から夕方まで過ごすのは、ファンにとっても体力的にハードでした。午後3時以降のスタートになれば、最も暑い時間帯を避けて来場でき、熱中症のリスクも下がります。日が傾いてからのレース観戦は、夏の風物詩として新たな魅力になる可能性も十分にあります。仕事を終えてから競馬場へ向かい、涼しくなった夕方に締めのメインレースを楽しむ——そんな“アフター5の競馬”が、夏の新しい定番になるかもしれません。

予想スタイルにも変化が

朝から12鞍を追う場合、どうしても情報量が膨大になり、すべてのレースをじっくり吟味するのは難しいものでした。7鞍に絞られれば、馬柱やパドック、返し馬といった情報を1鞍ずつ丁寧に読み込む余裕が生まれます。「広く浅く」から「狭く深く」へ——予想の質を高めたいファンにとっては、むしろ歓迎すべき変化かもしれません。発走間隔やレース構成によっては、これまでとは違ったリズムで馬券と向き合うことになりそうです。

賛否の論点――歓迎の声と懸念の声

大きな制度変更には、必ず賛否が伴います。ここでは、立場の異なる見方をできるだけフェアに並べてみます。

👍 歓迎・評価する側の見方

最も根本的な評価は、やはり「人馬の命と健康を最優先した英断」という点でしょう。競走馬が熱中症で体調を崩したり、最悪の事態に至ったりするリスクを、可能な限り下げる。動物福祉への関心が世界的に高まるなか、ファンや社会の理解を得るためにも避けて通れない対応だ、という評価です。長く競馬を楽しむためには、まず馬が健やかに走れる環境を守ることが大前提——この考え方には、多くのファンがうなずくはずです。

また、JRAが2024年から段階的に検証を重ねたうえでの決定である点も、「拙速ではなく、データに基づいた慎重な判断」として評価されています。

🤔 懸念・慎重な側の見方

一方で、懸念がないわけではありません。「1日7レースでは物足りない」「夏競馬の風物詩が薄れる」という、純粋に楽しみが減ることへの寂しさを訴える声。出走機会の確保について「平日振り替えが本当にうまく機能するのか」という運用面への不安。そして、売上や経営への影響を心配する声もあります。

さらに、平日開催が増えれば「会社員や学生は現地で楽しみにくくなるのでは」という公平性の観点からの指摘もあります。これらはいずれも、今後JRAが詳細な運用方法を詰め、丁寧に説明していくなかで答えが出ていく論点でしょう。

賛否どちらの立場にも一理あります。大切なのは、「馬の安全」と「競馬という文化・興行の持続」をどう両立させるか。今回の決定は、その難しいバランスをJRAなりに探った一つの解答だと受け止めるのが、フェアな見方ではないでしょうか。

夏競馬ならではの魅力は失われてしまうのか

夏競馬には、春や秋とはひと味違った独特の魅力があります。3歳・古馬の有力馬が秋に向けて始動するレース、夏に一気に力をつける「夏の上がり馬」の台頭、ローカル開催ならではの波乱含みの展開——こうした要素は、多くのファンにとって夏競馬の醍醐味でした。レース数が減ることで、こうした楽しみが薄れてしまうのではないか、と心配する向きもあるでしょう。

ただ、考えようによっては、本州が7レースに絞られる分、出走馬や条件がより厳選され、1鞍ごとの注目度が高まるとも言えます。さらに、12レースをフルに行う北海道開催の存在感が相対的に増すことで、「夏は北海道シリーズを軸に楽しむ」という新しい定番が生まれるかもしれません。夏競馬の魅力が消えるというより、その重心が少しずつ移っていく——そんなイメージで捉えると、変化を前向きに受け止めやすくなります。

名物レースや恒例の重賞がどう配置されるかは、今後の番組編成次第です。ファンとして声を上げ、関心を持ち続けることが、より良い形での移行につながっていくはずです。

そもそも「暑さ」は馬にとってどれほど危険なのか

レース数削減の意義を理解するうえで、サラブレッドという動物が暑さにどれだけ弱いかを知っておくと、今回の判断の重みがより伝わります。

サラブレッドは、速く走るために極限まで筋肉を発達させた品種です。全力疾走時にはエネルギーの大半が熱に変わり、体内の温度は急激に上昇します。人間であれば汗をかいて全身から効率よく熱を逃がせますが、馬も汗をかくとはいえ、体重に対する体表面積の比率が小さいため、熱を逃がす効率は人ほど高くありません。つまり、いったん上がった体温を下げるのに時間がかかり、それだけ熱中症のリスクも高くなるのです。

気温だけでなく湿度も大きな要因です。日本の夏は高温多湿で、汗が蒸発しにくく、馬の体は熱を発散しづらい環境にさらされます。レース後の馬に大量の水をかけて急いで体を冷やすのは、こうした体温上昇を一刻も早く抑えるためです。暑い時間帯のレースを物理的に減らすことは、この根本的なリスクに対する、最もシンプルで効果的な対策と言えます。

今後の注目ポイント

2027年の本格実施に向けて、ファンとして押さえておきたいチェックポイントを挙げておきます。

  • 対象期間と対象競馬場の確定:「約6週間」が具体的にいつからいつまで、どの場で行われるのか。正式な番組発表を待ちたいところです。
  • 7レースの中身:重賞やメインレースをどう配置するのか。7鞍のうち何鞍をどんな条件戦・特別戦で組むのかによって、開催の表情は大きく変わります。
  • 平日振り替えの運用:どの時期に、どんな形でレースを振り替えるのか。開催日数の調整がどうなるか。
  • 発走時刻のスケジュール:午後3時スタートで、最終レースが何時になるのか。生活リズムや交通アクセスとの兼ね合いも気になります。

よくある質問(FAQ)

いつから1日7レースになりますか?
報道によると、2027年の夏開催から実施される方針です。2026年の夏は、従来通り「競走時間帯の拡大」(長い昼休みをはさむ方式)で対応する見込みです。
すべての競馬場で7レースになるのですか?
いいえ。対象は本州などの暑い時期の開催で、涼しい北海道(札幌・函館)は対象外です。北海道開催はこれまで通り1日12レースを実施します。
削られたレースの分、馬が走る機会は減ってしまうのですか?
JRAは削減される約120レースを夏以外の時期の平日などに振り替え、年間の総レース数は維持する方針です。年間ベースでの出走機会は基本的に守られる見通しです。
第1レースは何時に始まりますか?
午後3時以降で調整されると報じられています。最も暑い昼の時間帯を避け、夕方から夜にかけてレースを集約する形です。
なぜここまで踏み込んだ対策が必要なのですか?
近年の猛暑で、競走馬や騎手をはじめとする人馬の熱中症リスクが高まっているためです。これまでの「時間帯をずらす」対策をさらに進め、暑い時間帯はレース自体を行わないことで、リスクを根本から減らす狙いがあります。
2026年の夏競馬はどうなりますか?
7レース制が始まるのは2027年からです。2026年の夏は、これまで通り「競走時間帯の拡大」(新潟・中京で長い昼休みをはさむ方式、それぞれ約6週間)で実施される見込みです。本格的な削減は2027年からと押さえておきましょう。
馬券の売上は減ってしまわないのですか?
レース数が減れば購入対象は一時的に減りますが、削減分を平日などに振り替えて年間総数を維持するため、年間ベースでの購買機会は確保される見通しです。夕方〜夜への集約で、仕事帰りの時間帯に参加しやすくなるという見方もあります。実際の影響は今後の運用次第で、注視が必要です。

まとめ

JRAが2027年の夏開催から打ち出す「1日12レース→7レース」への削減は、年々厳しさを増す猛暑のなかで、馬と人の安全を最優先に据えた大きな決断です。第1レースは午後3時以降にずれ込み、削減される約120レースは平日などに振り替えて年間総数は維持。涼しい北海道は対象外として12レースを保つ——気候に応じたメリハリのある設計になっています。

ファンにとっては、夏競馬の過ごし方が「朝から12鞍」から「夕方から7鞍」へと様変わりするインパクトの大きい変更です。物足りなさを感じる声がある一方で、暑さを避けて観戦できる快適さや、1鞍ごとの濃度の高まりを歓迎する声もあるでしょう。賛否は分かれますが、その根っこにあるのは「これからも長く競馬を楽しみたい」という共通の願いです。

まずは馬が健やかに走れる環境を守ること。そのうえで、私たちファンも新しい夏競馬のスタイルを楽しんでいく——2027年の夏が、その第一歩になりそうです。

参考にしたサイト(出典)

本記事は、以下の報道をもとに構成しています。詳細は各リンク先でご確認ください。

※本記事は2026年5月末時点の各種報道(日本経済新聞、共同通信、読売新聞オンライン、日刊スポーツ、新潟日報など)をもとに構成しています。実施内容や日程は、今後のJRAの正式発表によって変更される可能性があります。最新の情報はJRA公式サイト等でご確認ください。

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