FX・税金
FXの年内決済はいつまで?今年の税金に入る締め日は会社で3通り
「12月31日の夜に決済したら、今年の利益?来年の利益?」。FXの年末でいちばん多い疑問ですが、答えは口座を持っている会社によって違います。主要8社・取引所の公式な案内を読み比べると、年の区切り方は①取引日(営業日)②決済日(暦日)③受渡日(資金反映日)の3通りに分かれていました。受渡日で区切る場合、2026年は12月28日(月)が年内に入る最後の取引日の目安です。含み損の年内決済で税金がいくら変わるか、2023年の繰越損失が今年で期限切れになる話、2027年から変わる税率の内訳まで、国税庁の公表資料をもとに整理します。
この記事の結論
- 国税庁は、FXの利益は「差金等決済(決済)」によって生じた損益に課税すると説明しています。ただ、年末の締めを何日の何時で区切るかは、各社の年間損益報告書で扱いが分かれています。
- ①取引日(営業日)で区切る会社(DMM FX・外為ファイネスト・岡三オンラインの店頭FX)は、12月31日のニューヨーク時間、つまり日本時間1月1日の早朝までの決済が今年分です。DMM FXは「1月1日午前6時50分まで」と明記しています。
- ③受渡日で区切る会社(楽天FX、取引所FXのくりっく365など)では、年末の数日間に決済すると受渡しが1月にずれて翌年分になります。2026年は12月31日が銀行休業日のため、12月28日(月)の取引日が年内に入る最後の目安です。
- その年に利益が出ていて含み損のポジションがある場合、年内に決済すれば今年の税金は減ります。確定利益100万円・含み損40万円なら、税額は203,150円から121,890円へ81,260円少なくなります。
- 損失の繰越控除は3年です。2023年分の損失を使えるのは2026年分の申告が最後で、毎年の確定申告が条件です。
- 2027年分から所得税の上乗せ分の内訳が「復興特別所得税1.1%+防衛特別所得税1%」に変わりますが、合計の20.315%は変わりません。
(取引日・決済日・受渡日)
1月1日の締め時刻
最後の取引日(2026年の目安)
合計税率は同じ
FXの利益は「決済した年」の所得。ただし締め方は会社で違う
国税庁のタックスアンサー(No.1521)によると、国内のFX会社で取引したFXの利益は、「差金等決済」によって生じた損益が「先物取引に係る雑所得等」として課税されます。税率は所得税15%と住民税5%の申告分離課税で、所得税には復興特別所得税(所得税額の2.1%)が上乗せされるため、合計は20.315%です。
ポイントは「決済したとき」に課税されることです。決済していないポジションの含み益・含み損は、その年の所得になりません。だから年末は「いつ決済するか」で、どちらの年の所得になるかが決まります。
ところが、その「年内」の区切り方は一つではありません。FXは平日ほぼ24時間取引でき、1日の区切りは日本時間の午前7時前後(ニューヨーク市場の終わり)です。さらに決済した資金が実際に受け渡されるのは数営業日後です。どの時点を「決済した日」と見るかで、年末の締めが変わります。
取引日(営業日):FX会社の1日の区切り。多くの会社は日本時間の午前7時ごろ始まり、翌朝6時50分〜7時ごろ終わる。12月31日の取引日は、日本時間の1月1日早朝まで続く。
決済約定日:決済注文が成立した日付。
受渡日:決済した資金が実際に受け渡される日。取引所FXのくりっく365は原則として取引日の翌々営業日。
主要8社・取引所の「年末の締め」一覧
各社が公式サイトで案内している、年間損益報告書(確定申告に使う書類)の対象期間をまとめました。
| 会社 | 年の区切り方 | 公式の案内(要旨) |
|---|---|---|
| DMM FX | ①取引日(営業日) | 「2026年1月1日午前6時50分までのお取引が2025年度の対象」 |
| 外為ファイネスト | ①取引日(営業日) | 個人は「1月1日午前7時から翌年1月1日午前6時59分59秒までに確定した損益」が対象 |
| 岡三オンライン(店頭FX) | ①取引日(営業日) | 「1月1日から12月31日までの取引日に行われた取引」の利益 |
| ソニー銀行 | ②決済日(暦日) | 「1月1日から12月31日に決済約定となった取引」を記載 |
| みんなのFX | ②決済日(暦日) | 「各年の1月1日から12月31日までの各取引口座での実現損益」を申告 |
| 楽天FX | ③受渡日 | 「受渡日ベースで1月1日から12月31日までの1年間に確定した売買益」 |
| くりっく365(岡三オンライン) | ③受渡日 | 2022年の例で「12月29日に決済した取引の損失」は「受渡日が翌年のため」翌年分 |
| セントラル短資FX | ③資金反映日 | 年次報告書は「期間内に現金残高に反映された実現損益」。取引日基準に直す計算方法も案内 |
各社の公式サイト(2026年9月23日時点)の記載をもとに要約。黄色の行は、年末の数日間の決済が翌年分になりうる会社です。
①と②の違いは「大晦日の深夜」だけ
取引日で区切る会社と、暦の1月1日〜12月31日の決済で区切る会社の差が出るのは、12月31日の深夜0時から1月1日の早朝までに決済した場合だけです。DMM FXは2025年末の例で、12月31日(水)の取引時間を「07時00分〜翌06時50分」としたうえで、その時間までの取引を2025年分と明記しています。②の会社で、この時間帯の扱いが気になる場合は、12月31日の日中までに決済を終えるのが確実です。
③の会社は「12月28日(月)」が目安
受渡日で区切る場合、年内の最後の受渡日は、日本の銀行が年内最後に営業する12月30日(水)です。くりっく365の受渡しは原則として取引日の翌々営業日なので、2026年は12月28日(月)の取引日が年内に受け渡される最後の日になります。12月29日(火)の取引は、31日が銀行の休業日で1〜3日も休みのため、受渡しが2027年1月4日(月)にずれ込む計算です。
上の日付は、2営業日後に受け渡すと仮定したカレンダー上の目安です。年末年始の取引時間や受渡日は、毎年12月上旬に各社と東京金融取引所が発表します。楽天FXは受渡日ベースと案内していますが、年末の具体的な締め日は同社の案内で確認してください。
2026年末のカレンダー(目安)
- 12/28(月)受渡日ベースの会社で、年内に入る最後の取引日くりっく365と同じく翌々営業日に受け渡す場合の目安。含み損の整理はこの日までに。
- 12/29(火)受渡日ベースだと翌年分になる受渡しが2027年1月4日(月)へずれる計算。取引日ベースの会社ではまだ今年分。
- 12/30(水)国内の銀行の年内最終営業日出金は年内に着金しなくなる会社が多い日。DMM FXは2025年末の例で、年内出金の予約を12月29日15時までとしていた。
- 12/31(木)取引日ベースの会社の最終日取引時間は翌1月1日の早朝まで。DMM FXは2025年末の例で「翌06時50分」まで。この時間までの決済が今年分。
- 1/1(金・祝)元日は各社休場年明けの取引開始は2027年1月4日(月)の朝の見込み。年始は流動性が薄く、2019年1月3日のように早朝に急変したこともある。
年末年始の値動きについては、祝日のドル円を10年分数えた記事で、年末年始19日の値幅も集計しています。
未決済のスワップポイントは、今年の所得になる?
ポジションを持ったまま年を越す場合に気になるのがスワップポイントです。これも会社の仕組みで扱いが変わります。
| 会社 | 未決済ポジションのスワップ | 注意点 |
|---|---|---|
| DMM FX | 決済したときに確定 | 「決済(反対売買)した為替差損益とスワップポイント」の合計を申告すると案内 |
| 外為どっとコム | 損益計算書に含まれない | 「未決済ポジションのスワップ損益は含まれていません」と明記 |
| ヒロセ通商 | 原則として対象外 | スワップ振替で確定すると課税対象。時間外に振替すると確定日は翌営業日付けになり、年末は特に注意と明記 |
| 楽天FX | 受け入れたものが対象 | 「受入証拠金に反映したスワップポイント」が課税対象 |
多くの会社では、スワップポイントはポジションを決済したときに確定し、その年の所得になります。一方、ポジションを持ったままスワップだけを受け取る「スワップ振替」のような機能を使うと、受け取った時点で課税対象になります。ヒロセ通商は、土日や年末年始に振替を行うと確定日が翌営業日付けになるため、年末の利用に注意するよう案内しています。12月31日の夜に振替をすると、2027年分になる可能性があるということです。
年末に決済すると税金はいくら変わる?3つのケース
税率20.315%で、年内に決済した場合と年を越した場合の税額を比べました(ほかに先物取引等の所得はない前提)。
| ケース | 年越しした場合 | 年内に決済した場合 | 差 |
|---|---|---|---|
| A. 確定利益100万円+含み損40万円 | 2026年の税 203,150円 | 2026年の税 121,890円 | 今年の税が81,260円減る(買い直すと来年以降に繰り延べ) |
| B. 含み益50万円を持っている | 2027年に101,575円 | 2026年に101,575円 | 納税が1年ずれるだけ(他に損失がなければ) |
| C. 2023年の繰越損失30万円+確定利益10万円+含み益30万円 | 2026年0円+2027年60,945円 | 2026年20,315円 | 合計40,630円の差(2023年の損失は2026年分が最後) |
A. 含み損は年内に決済すると、今年の税が減る
その年に確定した利益があるなら、含み損のポジションを年内に決済すれば、損失が利益と相殺されて今年の税金が減ります。100万円の利益に40万円の含み損なら、課税される所得が60万円になり、税額は81,260円少なくなります。
ただし、決済して同じポジションを持ち直した場合、その後に相場が戻って出た利益は翌年以降に課税されます。税金が消えるのではなく、先に延びると考えるのが正確です。持ち直すときはスプレッドの分だけコストがかかり、年末は流動性が低くスプレッドが広がりやすい点にも注意が必要です。
B. 含み益は「いつ決済するか」で納税の年が変わる
ほかに損失がなければ、含み益を年内に決済しても年明けに決済しても税額は同じで、納税が1年ずれるだけです。反対に、今年すでに損失が出ているなら、含み益を年内に決済して相殺した方が有利になる場合があります。
C. 2023年の繰越損失は、2026年分が最後
FXの損失は、確定申告をすれば翌年以後3年間繰り越して、将来の利益から差し引けます(国税庁No.1523)。2023年に出した損失を使えるのは、2024年・2025年・2026年分までです。ケースCのように、2026年の確定利益が繰越損失より少ないまま年を越すと、使い切れなかった分が消えてしまいます。含み益を年内に確定させて繰越損失を使い切ると、この例では合計40,630円の差になります。
国税庁によると、損失を繰り越すには、損失が出た年に申告書付表と計算明細書を付けて確定申告し、その後も連続して確定申告を出す必要があります。ヒロセ通商は「取引が一切ない年があっても、確定申告が必要」と案内しています。1年でも申告を抜かすと、繰り越してきた損失は使えなくなります。
給与を1か所から受け取り、年末調整を受けている会社員は、給与以外の所得の合計が20万円以下なら所得税の確定申告は原則不要です(国税庁No.1900)。ただし住民税の申告は別に必要とされるため、お住まいの市区町村に確認してください。また、損失を繰り越したい場合は20万円以下でも確定申告が必要です。
2027年から税率の内訳が変わる。合計は20.315%のまま
国税庁のタックスアンサー(No.1521・1522)には、2026年9月時点で次の注記があります。令和9年(2027年)分以後は、復興特別所得税が基準所得税額の1.1%になり、新たに防衛特別所得税が1%かかる、というものです。
計算すると、所得税15%に対する上乗せは「2.1%」から「1.1%+1%」へ置き換わるだけで、合計の税率は20.315%のままです。2026年に決済しても2027年に決済しても、FXの税率そのものは変わりません。
国税庁の同じページでは、復興特別所得税を申告・納付する期間が「平成25年から令和29年(2047年)まで」と書かれています。一方、DMM FX・楽天FX・SBI FXトレード・外為オンライン・岡三オンラインなどの税金ページは、2026年9月時点で「2013年から2037年まで」「25年間」といった従来の表記のままでした。申告のときは国税庁の案内を基準にしてください。
年末までにやっておくこと
- 自分の口座の締め方を確認する:上の一覧で①〜③のどれかを確認し、12月上旬に出る各社の年末スケジュールで最終日を確かめます
- 今年の確定損益を集計する:複数の口座があるなら合算します。FXは、ほかのFX口座やくりっく365・日経225先物などの損益と通算できます
- 含み損・含み益を確認する:損益通算や繰越損失の期限を見て、年内に決済するかを決めます
- 繰越損失の年を確認する:2023年分は2026年分の申告が最後です
年間損益報告書をどう出すかは会社ごとに違います。DMM FXは、2025年分の年間損益報告書を「2026年第1日曜日(1月4日)以降」に取引ツールの報告書画面から確認できると案内しています。年末の締め時刻を公式に明記している点も含め、年末の管理がしやすい口座です。これから口座を用意する場合、口座開設にかかる日数はFXの口座開設は何日かかる?にまとめています。
この記事は国税庁の公表資料と各社の公式案内をもとにした一般的な解説で、個別の税務判断を示すものではありません。年末の取引が何年分になるかなど具体的な取り扱いは、所轄の税務署または税理士にご確認ください。FXは証拠金を上回る損失が発生する可能性のある取引です。取引の判断はご自身の責任で行ってください。
よくある質問
Q. 12月31日の夜にFXを決済したら、今年の所得ですか?
A. 会社によって違います。DMM FXなど取引日(営業日)で区切る会社では、日本時間1月1日の早朝までの決済が今年分です(DMM FXは2025年末の例で1月1日午前6時50分まで)。楽天FXやくりっく365など受渡日で区切る会社では、受渡しが翌年になるため翌年分になります。2026年は12月28日(月)の取引日が、受渡日ベースで年内に入る最後の目安です。
Q. 含み損のポジションは年内に決済した方がいいですか?
A. その年に確定した利益がある場合は、年内に決済すると損失が相殺されて今年の税金が減ります。確定利益100万円・含み損40万円なら、税額は203,150円から121,890円になります。ただし同じポジションを持ち直すと、その後の利益は翌年以降に課税されるため、税金が消えるのではなく先に延びると考えてください。スプレッドのコストもかかります。
Q. 決済していないポジションのスワップポイントに税金はかかりますか?
A. 多くの会社では、スワップポイントはポジションを決済したときに確定します。DMM FXは決済した差損益とスワップの合計を申告すると案内し、外為どっとコムの損益計算書には未決済ポジションのスワップ損益が含まれず、ヒロセ通商は未決済ポジションのスワップは原則として確定申告の対象外としています。ただし、ポジションを持ったままスワップだけを受け取る振替機能を使った場合は、受け取った時点で課税対象になります。ヒロセ通商は、時間外に振替すると確定日が翌営業日付けになるため年末は注意と案内しています。
Q. 2027年からFXの税率は上がりますか?
A. 合計の税率は変わりません。国税庁によると、2027年分以後は復興特別所得税が基準所得税額の1.1%になり、防衛特別所得税が1%加わります。従来の2.1%が1.1%と1%に分かれるだけなので、所得税15.315%と住民税5%で合計20.315%のままです。
Q. FXの損失はいつまで繰り越せますか?
A. 翌年以後3年間です。2023年の損失は2024年・2025年・2026年分の利益から差し引けますが、2027年分には使えません。繰越控除を受けるには、損失が出た年から毎年連続して確定申告をする必要があり、取引がない年も申告が必要です。
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出典・参考資料
- 国税庁:No.1521 外国為替証拠金取引(FX)の課税関係/No.1522 先物取引に係る雑所得等の課税の特例/No.1523 先物取引の差金等決済に係る損失の繰越控除/No.1900 給与所得者で確定申告が必要な人
- DMM FX:税金と確定申告/税金と確定申告~どうやって計算?~/2025年 クリスマスおよび年末年始のスケジュール
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