負債は約1259億円
飲食店の売上を”先行入金”していた大阪の決済代行会社が自己破産。加盟店の決済停止という連鎖的な影響が広がっています。
クレジットカード売上の早期決済代行サービスを手がけていた株式会社全東信(大阪市中央区)が、2026年7月6日に大阪地方裁判所へ自己破産を申請し、同日付で破産手続き開始決定を受けました。負債総額は約1259億2900万円にのぼり、今年最大規模の倒産となります。飲食店を中心とした加盟店に決済停止という直接的な影響が及ぶため、多くの事業者が資金繰りの見直しを迫られています。この記事では、破産に至った経緯と、加盟店やカード利用者に及ぶ影響をわかりやすく解説します。
全東信の破産の概要
まずは今回の破産の基本的な事実を整理します。全東信は2006年に設立され、飲食店向けのクレジットカード決済代行を主力事業としてきた企業です。
| 企業名 | 株式会社全東信 |
|---|---|
| 本社所在地 | 大阪市中央区島之内1-14-14 |
| 代表者 | 髙山萬保 氏 |
| 資本金 | 45億円 |
| 負債額 | 約1259億2900万円(2025年3月期末時点) |
| 申請先 | 大阪地方裁判所(2026年7月6日) |
負債額が1000億円を超える大型倒産は決して多くありません。全東信の事業は多数の飲食店の資金繰りに直結していたため、単なる一企業の破産にとどまらない影響が懸念されています。
全東信はどんなサービスを提供していたのか
全東信の中核事業は「全東信決済システム」と呼ばれる早期決済代行サービスでした。その仕組みと利用者にとってのメリットを解説します。
クレジット売上を「先行入金」する仕組み
通常、加盟店がカード決済で受け取った売上金は、カード会社を通じて一定期間後に入金されます。全東信は、この売上代金をカード会社に先行して立て替え入金し、その手数料を収益源としていました。
入金までのタイムラグは、日々の仕入れや人件費を現金でまかなう飲食店にとって資金繰りの負担になりがちです。そのため入金を早められるこのサービスは、特に現金の回転が重要な飲食・夜間業種で利用されていたとされています。
審査に通りにくい店舗の受け皿という側面
一方で、通常のカード会社の加盟店審査が通りにくい店舗の受け皿になっていた面もあったと指摘されています。この点が、後述する事件の背景にもつながっていきます。
破産に至った経緯
1000億円超の負債を抱えるに至った背景には、複数の要因が重なっています。時系列で整理します。
年収入高は約80億円。この時点では事業は成立していました。
緊急事態宣言やまん延防止措置で飲食店が時短・休業。2021年3月期の年収入高は約50億円まで減少し、2期連続で大幅赤字に。
審査が通らない飲食店と他人名義で加盟店契約を結んだとして社員らが逮捕。会社も組織犯罪処罰法違反の疑いで書類送検されました。
信用不安と資金調達難で事業継続を断念。大阪地裁に自己破産を申請しました。
加盟店・利用者に及ぶ影響
今回の破産で最も心配されるのが、全東信を利用していた加盟店への影響です。主なポイントを確認しておきましょう。
全東信のクレジット端末機は今後一切使用できず、仮に作動してもサービスは利用できません。
開始決定までに立て替えを受けていない売上金は破産債権となり、従来の期限では支払われません。
カード決済を続けるには、あらためて他のカード会社などと加盟店契約を結び直す必要があります。
特に、全東信からの早期入金を前提に資金を回していた飲食店にとっては、当面の資金繰りが一気に厳しくなる可能性があります。心当たりのある事業者は、早めに代替の決済手段の確保と、専門家への相談を検討したいところです。
まとめ
今回の全東信の破産は、負債約1259億2900万円という今年最大規模の倒産であると同時に、コロナ禍で体力を削られた飲食業界の資金繰りの脆さと、決済代行というインフラ的サービスの重要性をあらためて浮き彫りにしました。カード決済が当たり前になった今、その裏側を支える事業者の破綻は、多くの店舗と利用者に連鎖的な影響を及ぼします。今後の破産手続きの行方と、加盟店への具体的な救済策に注目が集まります。


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