近年、警察官や役所の職員などを名乗り、捜査や優先調査の名目で現金をだまし取る特殊詐欺が急増しています。
この記事では、実際に多発している詐欺の手口と注意すべきポイント、そして被害に遭わないための具体的な対策について、細部まで徹底的に解説します。

そもそも「警察官かたり詐欺」とは?

警察官かたり詐欺とは、犯人が警察官や役所の職員になりすまして、電話やSNS、ビデオ通話などで被害者に接触し、「あなたの口座が犯罪に使われている」「あなたの携帯電話が不正契約されている」などと不安を煽ることで、現金やキャッシュカード、個人情報をだまし取る詐欺のことを指します。
この手口は、被害者の心理を巧みに突くことで知られています。特に高齢者を狙ったケースが多く、社会問題となっています。犯人は、あたかも本物の警察官であるかのように、礼儀正しく、専門用語を交えながら話すため、被害者が疑念を抱く暇を与えません。
被害者の恐怖心や焦りを利用し、冷静な判断を失わせ、短時間で金銭を奪う極めて悪質な手口です。
最新の詐欺手口事例

近年、以下のような手口が急増しています。
- 固定電話や携帯電話に突然「警察官」を名乗る人物から電話がかかってくる。
- 「あなたの口座が犯罪に利用されている」と告げ、資産保護や口座調査の名目で現金を引き出させる。
- 捜査協力を求めると称して、すべての資産を別の口座へ振り込ませるよう指示する。
- SNSやメッセージアプリを通じて、警察手帳や逮捕状らしき偽造画像を送信して信用させる。
- 「あなたは逮捕される可能性がある」などと不安を煽り、即時対応を迫る。
- 電話会社や総務省を名乗り、「携帯料金の未納」を口実にした後、警察官役に交代するケースもある。
また、最近ではビデオ通話に移行し、警察官に扮した人物が制服姿で登場するなど、リアリティを持たせて信頼を得る手口も増えています。この場合、被害者は相手の顔を見たことで安心し、より深く信用してしまう傾向があるため、特に注意が必要です。
こんなケースは要注意!

以下に該当する場合は、詐欺の可能性が非常に高いです。
- 警察官がメッセージアプリで連絡してくる
- 警察手帳や逮捕状の画像を送信してくる
- 捜査のためと言って現金振込を要求される
- 現在使用している口座の全額を移すよう要求される
- 資産を守るために現金を引き出して保管するよう指示される
- 本人確認のためと称して個人情報(マイナンバーや口座情報)を求められる
本物の警察官や公的機関は、こうした手段で捜査や資産保護を依頼することは絶対にありません!
犯人の手口の具体例

実際に報告されている手口の一例をご紹介します。
- 固定電話に電話がかかり、「○○警察署の△△です」と名乗る。
- 「あなたの口座が詐欺グループに悪用されている」と説明。
- 「このままではあなたも共犯とみなされる可能性がある」と脅す。
- 「資産を保護するため、指示に従い現金を引き出してください」と要求。
- 銀行やコンビニATMで、指示通りの口座に振り込ませる。
- その後、さらに「保護措置」として金銭を別の場所に持っていくよう指示される場合もある。
また、SNSを使って警察手帳の写真を送りつけたり、ビデオ通話で顔を見せながら信頼させるパターンも増加しています。この際に使用される制服や手帳、逮捕状などは、精巧に作られている場合が多く、見た目だけでは本物と区別がつきにくいことが問題となっています。
被害を防ぐために知っておくべきポイント

警察官かたり詐欺を防ぐためには、以下の点をしっかり覚えておきましょう。
- 警察官がメッセージアプリやSNSで個人連絡してくることはない。
- 警察官が個人の資産移動や現金振込を指示することは絶対にない。
- 本当に必要な場合は、必ず最寄りの警察署に来るように指示される。
- 逮捕状や警察手帳の画像だけで信用してはいけない。
- 不審に思ったら、一度電話を切り、自分で警察署の正式な電話番号にかけ直す。
- 警察署名や担当者名を尋ね、ネットで確認する。
- 警察署への訪問は、できるだけ家族や知人と一緒に行動する。
詐欺犯人はここを狙っている!

なぜ詐欺犯はこのような手口を使うのでしょうか?
それは、
- 突然の連絡で相手をパニックにさせる
- 権威(警察・役所)を装うことで相手を従わせる
- SNSやビデオ通話でリアル感を演出し、疑いを持たせない
- 家族に相談する暇を与えないことで孤立させる
- 早急な対応を迫ることで冷静な判断を奪う
といった心理操作を意図的に行っているからです。
“冷静さを失わせる”ことが、彼らの最大の武器なのです。
本物の警察官と偽物を見分けるコツ
本物の警察官であれば、以下のような対応をします。
- 正式な手続きを経た上で、対面で説明を行う。
- 捜査に必要な場合は、きちんと署まで来るよう求める。
- 個人の資産移動を指示することはない。
- 現金の直接的な受け渡しや振込依頼は絶対にしない。
- 家族に相談することを推奨する。
- 慌てさせるような言動は絶対にしない。
少しでも不審に思ったら、迷わず最寄りの警察署へ相談しましょう。
最後に:詐欺にだまされないために最も大切なこと

詐欺師たちはあらゆる手段であなたの冷静さを奪おうとします。
しかし、
- すぐに行動しない
- 一度立ち止まって考える
- 誰かに相談する
これだけでも、被害に遭う確率を大幅に下げることができます。
「警察官がメッセージアプリや電話だけで資産の移動を指示することは絶対にない」
この事実をしっかりと胸に刻んでおくことです。
少しでも不安を感じたら、絶対に一人で判断せず、すぐに周囲に相談しましょう。あなたの冷静な判断が、大切な資産と人生を守ります!
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